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2011年11月の記事

2011/11/21

Re: おわりに&あとがき(親指シフト導入記27) (@京都のほんの片隅から)

親指シフトに興味ある人は必見です。
http://dohenkutsu.cocolog-nifty.com/blog/2011/11/27-d440.html

さて、26回に渡って連載してきた「親指シフト導入記」であるが、今回の記事をもって、とりあえず一区切りをつけさせていただくことにしたい。このテーマについて筆者の言いたかったことは、前回までの記事でほぼ書き尽くした感があるからだ。

表題で分かる通り、27回の連載となった親指シフト導入記が一区切りとなりました。著者は入力方法を親指シフトにしようとして、いろいろな方法を試されました。それが時間の経過を追って述べられています。

親指シフトについてこれだけまとまって詳細に述べられているものはこれまで見たことがありません。ずっと読んできましたが、大変役に立つし、親指シフトの普及にためにも大きな貢献となっています。大きな感謝を差し上げたいと存じます。

すべての論点に関して私が詳しいコメントをする能力はありません。もっといえば、書かれていることはほぼ納得がいくものです。その意味で安心して読むことをすすめられます。

以下は全体を通しての私の感想です。

1. 実際に親指シフトを使ってみようと思ったときからの経過を、心の中まで含めて詳しく書いています。あとから振り返ると回り道だったと思えることまで、どのような考えでそのようなことをしてその結果がどうだったかが書かれています。もちろん、現在の達した時点から見ることによるバイアスがまざる可能性もありますが、それでも、親指シフトを常用している人が忘れがちな覚えるまでの途中経過が記されているのは貴重です。

2. 親指シフトに関してこれまで公表されている結果を、著者はできる限り広く調べてその上でとるべき選択の判断材料としていることが伺われます。学術論文ではないので、引用文献の索引といったものがあるわけではありませんが、豊富なリンクや引用がそれを示しています(ありがたいことに拙文をとりあげているところもあります)。これらのリンクをすべて見ることも親指シフトの理解に大きく役立ちます。

3. こうした著者の姿勢から、親指シフトに関する事実に関してはほぼ安心して読み進めることができます。また結論としてあげられている命題についても納得がいくものです。

4. その上で私が感じたかすかな違和感をあげるとすれば「入力方法の違いがどのように最終結果、すなわちできた文章に影響を及ぼすか」についてでしょう。 http://dohenkutsu.cocolog-nifty.com/blog/2011/11/22-63d3.htmlhttp://dohenkutsu.cocolog-nifty.com/blog/2011/11/23-8948.html に書かれていることは、確かにそのようなことがあってもおかしくはないとは思いますが、私はそこまでは思わず、むしろ入力方法のいかんにかかわらず、文章の質は著者の考え方が第一義的には大事であるとした方が良いと思っています。もちろん、著者は用心深く、

要は、NICOLA入力を「魔法の杖」であるかのように勘違いしないことである。

これは親指シフトに限らず、マインドマップやKJ法といった発想支援ツールにも当てはまることだが、その熱狂的な唱道者の中には、あたかもそのツールを使えばアイデアが湯水のように湧き出してくるかのような言説を垂れ流す人が少なくない。

とも述べていることは指摘しておきます。

5. いずれにしても、この連載は大変役立つもので、私は感謝をしてもしきれない気持ちです。大変なものが出ました。

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2011/11/16

Re: やったぜ! 新ポメラ  ワラジ形コンピュータへの愛と親指シフトについて (@ASCII.jp)

新ポメラと親指シフトの関係、あるいは親指シフトはガラパゴスか。
http://ascii.jp/elem/000/000/649/649538/
http://ascii.jp/elem/000/000/649/649538/index-2.html

しかし、これを正式にサポートしたコンピュータやキーボードは非常に限られている。いくら効率的といってもユーザー数も分からないので、メーカーもおいそれと製品化できないのだ(それでも専門的なユーザー向けに製品は出されてきたが)。

そんなところへ堂々と「親指シフト配列をサポート」と言ってきたのが、今回のポメラ(DM100)である。これを、快挙といわずどうせよというのだ! 奇跡といってもよい。ニュースを見て何かの見間違いではないかと思った人もいるに違いない。

このたびキングジムから発売になるデジタルメモ「ポメラ」の新型機種は親指シフトをサポートしているということで、あちこちで話題になっています。ツィッターやブログでも多くの人が言及しています。(どさくさに紛れて手前味噌の宣伝

ここに書かれているように、とにかく親指シフトをサポートしたものが出てきたということは喜ぶべきことです。私もうれしく思います。親指シフトの一番の弱点はユーザーが少ない(あるいは、ここにあるように、そもそもどのくらいユーザーがいるのか分からない)ことなので、製品として世に出たというのは大変なことだと思います。

日本人は、日本語を使っているという点で、そこは、すでに自分たち独自のガラパゴスな課題を抱えているということだ。それには、思いっきりガラパゴスな端末で解決するというのも悪いアイデアではないはずなのである。問題は、グローバルスタンダードが肩で風を切っているITの世界で、それをやる勇気があるかどうかともいえる。

確かに日本語を使っているのはほぼ日本人に限られますから、独自の世界であるともいえます。親指シフトはそのような独自の世界の問題点を解決するために作られ、見事に成功しています。ただ、それがガラパゴスな解決策なのかというのは少し吟味が必要な気がします。

親指シフトの本質的に重要なところは「親指と他の指の同時打鍵」という方法で、無理なく使いやすい範囲のキーにより多くの文字などを配置できたことだと思います。それと、コンピューターを使うということでソフトウェア的手法を組み合わせることができる(これは親指シフトに限ったことではありませんが)ので、使いやすい入力方法が作れました。

これは必ずしも日本語に限った話ではないのではないかというのが私の仮説です。詳しくは、私のサイトをご覧いただけたらと思いますが、まだ理論的検討の段階とはいえ、いろいろな言語に応用の可能性があると私は信じています。

親指シフトを日本語という枠に閉じ込めておく必要はないと私は思います。親指シフトの本質を考え、どのような応用の可能性があるか、そしてそれをどのように売り込んでいくか、そうした思考方法が親指シフトの普及には必要なのです。

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