Re: 「作法と機種の橋渡し」 (@ルックバック・デザイン)
親指シフトの過去、そして未来。
http://transphase-d.jugem.jp/?eid=1
御覧のように、このキーボードは出版社のアスキーから1991年に発売されたものでして、
そのため、
・ DOS系のAX-PC と、
・ NECのPC-98系と、
・アップルの マッキントッシュなど
どれにでも接続可能でした。その上、富士通オアシスの「親指シフトモード」も標準で搭載していて、
当時流通していた各種のフロントエンドプロセッサにも対応していましたから
たとえば、
「マッキントッシュで、VJEβを使いながら、親指シフトモードで入力する」
なんてことも可能でした。
1990年頃といえば、日本語ワープロの全盛期を通り越して、徐々にパソコンに人々の興味が移りだしていった時期です。パソコンのプラットフォームもばらばらだったわけですが、日本語ワープロのような規格の乱立よりはましだったような気がします。それでも違った規格の間ではソフトウェアだけでなくハードウェアも互換性が低いのが実情でした。
この時期は親指シフトにとっては「日本語入力コンソーシアム」の設立という節目でもありました。パソコンの普及に伴い、これまで日本語ワープロで使ってきて慣れている親指シフトが使い続けられるかどうかが親指シフトユーザーの関心事でした。コンソーシアムはまさしくそれに対応して、多くの企業の参加を得て、どのようなプラットフォームでも親指シフトが使えるような環境を作ろうという理念を持っていました。上記の引用のように実際にさまざまな環境で使える製品も作られたことは、この理想の具現化とも言えます。
その後の親指シフトを取り巻く環境は正直に言って、必ずしも満足のいくものではなかったでしょう。もちろん、それでも各種のプラットフォームで親指シフトを使えるようにする工夫や努力がされていて、曲がりなりにも親指シフトの伝統は維持されてきました。
そして現在の親指シフトを見ると、USB接続の専用キーボードをウィンドウズ、マッキントッシュ、リナックスといった主要なOSで実用的に使える環境があります。ある意味では1990年頃に理想としていた環境が実現しているのです。
親指シフトの社会での受け入れ度合いはまだまだ低いと言わざるを得ません。しかし、歩みは止めていないし、ましてや絶滅に向かっているというのは間違っているのです。
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コメント
とても魅力的な記事でした!!
また遊びにきます。
ありがとうございます!!
投稿: ビジネスマナー | 2011/09/24 20:37