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2010/01/18

Re: 古いワープロ (@Linux Diary)

親指シフトはゾンビか
http://maru89.cocolog-nifty.com/blog/2010/01/post-dfa6.html

今週の週刊文春(1月21日号)に、壊れたかと思った親指シフトワープロが奇跡的に蘇ったという椎名誠氏のエッセイが載ってました。
この件で全国の親指シフターから反響が多々あったそうで、読んでいるこっちまでなんだか嬉しくなってきます。

こういう話なので早速買い求めて読んでみました。「風まかせ赤テント」というのがコラムの名前でタイトルは「吉兆ゾンビワープロ」となっていました。

中身は引用してある通りで、この元旦の仕事はじめで、壊れてしまっていた、と思ったワープロが生き返った話です。

椎名誠さんはずっと親指シフトのワープロ(専用機)を使っていて、ずっと前に買ったものを大事に、しかし酷使しているようです。新しい機種はもう出ないし、メーカーの修理の対応も終了しているとなれば、このようにするしかないでしょう。だから、もう使えないと思っていたのが使えるようになったのはまさしく新年に相応しい吉兆であるとよろこぶのも分かります。

コラムの文章も、親指シフトワープロに対する愛情にあふれていますが、一方で「『つくったまんま』で放置」というメーカー(つまり富士通)に対する苦言も書かれています。

富士通が専用ワープロの生産をやめたのは経営判断ですから、私ごときが言うのはおこがましいですが、ひとつ言うとすれば、専用ワープロの生産をやめたのは富士通だけでなく他のメーカーも全部やめてしまっています。つまり、業界全体として、専用ワープロという製品ジャンルには将来性がないと判断したのでしょう。

販売した製品のサポートは生産中止から一定期間(確か7年程度)続けられましたが、それも終了しました。部品のストックも永久に持ち続けることはできないでしょうからこれも仕方がないことでしょう。

しかし、専用ワープロという「製品」ではなく、親指シフトという「考え方」については、細々ながらもサポートがされています。専用キーボードも引き続き購入可能ですし、それを使って事実上、すべてのパソコン(OSでいえば、ウィンドウズ、マッキントッシュ、リナックス)で実用的に親指シフトによる文字入力が可能です。

これには富士通だけでなく、サードパーティー企業やボランティア(親指シフトを使えるようにするためのソフトウェアのかなりの部分は無償で提供されています)などのコントリビューションがあります。つまり、親指シフトコミュニティーが親指シフトを支えているのです。

そうだとすれば、親指シフトという考え方、技術は今でも有効であり、決してゾンビなどではないのです。専用ワープロというプラットフォームは親指シフトをローンチするのに必要で、その普及にも大きくかかわってきました。しかし、専用ワープロに対する社会の需要が衰退してしまったからといって、親指シフトまで道連れにして欲しくないのです。

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