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2010年1月の記事

2010/01/29

Re: 1月28日(木)のつぶやき (@丹後ちまきのtweet)他1件

iPadでも親指シフト?
http://blog.goo.ne.jp/tchimaki/e/4bbbc2f648c7d4826cebba67ebb20e6f

iPadのソフトキーボード、日本語には親指シフトも搭載して欲しい!!

iPad 登場 (@不二草紙 本日のおススメ)
http://fuji-san.txt-nifty.com/osusume/2010/01/ipad-3ee7.html

あと、やっぱり「親指シフト」利用者としては、キーボードの問題ですね。ソフトウェア・キーボードに関しては、どなたかがいち早く開発してくれそうですけど。

iPadが発表になってすぐに親指シフトユーザーからの反応がありました。

実際のところ、ソフトキーボードで親指シフトが有効かどうかは私はよく分かりません。しかし、新しい機器が開発されるたびに親指シフトが使えるかどうか考えてしまうのは、親指シフトユーザーの性でしょうか。

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2010/01/21

Re: 最近思う事。(戯事・雑記。) (@徒然日記(趣味・雑記・出来事))

ガラパゴス化と親指シフト
http://plaza.rakuten.co.jp/mahotai2000/diary/201001200000/

この国だけの独創性だけの支持による技術革新が進むだけで、こういったハイテクは世界の事実上の要求水準と大きくかけ離れたものになってはいないか???

ということである。

世相の言葉を用いれば、[ガラパゴス化]だな。

(中略)

大昔にPCではNECのPC98シリーズや富士通の親指シフトとかがいい例だ。

中南米で生活していたことがあるので「ガラパゴス」には何となく親近感がある(実際に行ったことはない)のと、そもそも社会現象に進化論のメタファーを安易に使うことには違和感を感じていて、「ガラパゴス」が悪いことのように言われるのは何とも残念な気がします。

それはさておき、親指シフトについて上記の引用に書かれていることを吟味してみましょう(PC98シリーズについては分かりません)。

親指シフトが日本国内だけの支持であったことは当然で、それは日本語入力のための技術であるからです。それだけではありません。現在、親指シフトの日本語入力に占めるシェアはきわめて小さいものです。もし、親指シフトという技術の正否が日本語入力におけるシェアで測れるものであったならば、かつてそれなりのシェアを持っていたものが大きく減らしてしまうという大変動をすることは説明がしにくいはずです。

私の考える親指シフトのシェアの変動の要因は、技術そのものの正否ではなく、コンピューターで日本語を入力するということの社会的意味の変化という環境激変によるものです。

いずれにしても、日本語入力に関する技術ですから日本語を使うという制約の中でしか広げられないわけで、その意味ではそもそもグローバルになり得ません。

ただ、これは日本語に限ったことかというとそんなことはなく、いろんな言語をコンピューターにキーボードで入力する場合、その言語の構造に合わせた解決方法がとられていて、それは当然、その言語を使うという制約から外れることはあり得ません。

だから、日本語入力の技術については日本語にとって使いやすいかどうかを考えれば良いわけで「ガラパゴス」などを持ち出す必要はまったくありません。日本語を使うことをやめるということをしない限りは。

私は親指シフトは日本語入力のための技術として大変優れたものと信じています。ですから、細々ながらもその普及(社会化)のための活動をしているわけです。

ところで、親指シフトという技術を日本語以外にも使うということも考えられます。すなわち、親指シフトは「親指と他の指の同時打鍵」という他にない技術を使うことで、キーボードによる入力の可能性を広げた、と考えると、日本語以外にも適用ができるかもしれません。

このように考えて、いくつかの言語について親指シフトを応用する試みが(まだ理論のレベルですが)あります。詳しいことは、このブログの右サイドバーのケーススタディー(日本語以外)の各言語のところをご覧ください。

親指シフトが中国語やヒンディー語、アラビア語といった使用人数が多い言語で使われるようになったら「ガラパゴス」なんて言ってられないのではないでしょうか(笑)。

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2010/01/18

Re: 古いワープロ (@Linux Diary)

親指シフトはゾンビか
http://maru89.cocolog-nifty.com/blog/2010/01/post-dfa6.html

今週の週刊文春(1月21日号)に、壊れたかと思った親指シフトワープロが奇跡的に蘇ったという椎名誠氏のエッセイが載ってました。
この件で全国の親指シフターから反響が多々あったそうで、読んでいるこっちまでなんだか嬉しくなってきます。

こういう話なので早速買い求めて読んでみました。「風まかせ赤テント」というのがコラムの名前でタイトルは「吉兆ゾンビワープロ」となっていました。

中身は引用してある通りで、この元旦の仕事はじめで、壊れてしまっていた、と思ったワープロが生き返った話です。

椎名誠さんはずっと親指シフトのワープロ(専用機)を使っていて、ずっと前に買ったものを大事に、しかし酷使しているようです。新しい機種はもう出ないし、メーカーの修理の対応も終了しているとなれば、このようにするしかないでしょう。だから、もう使えないと思っていたのが使えるようになったのはまさしく新年に相応しい吉兆であるとよろこぶのも分かります。

コラムの文章も、親指シフトワープロに対する愛情にあふれていますが、一方で「『つくったまんま』で放置」というメーカー(つまり富士通)に対する苦言も書かれています。

富士通が専用ワープロの生産をやめたのは経営判断ですから、私ごときが言うのはおこがましいですが、ひとつ言うとすれば、専用ワープロの生産をやめたのは富士通だけでなく他のメーカーも全部やめてしまっています。つまり、業界全体として、専用ワープロという製品ジャンルには将来性がないと判断したのでしょう。

販売した製品のサポートは生産中止から一定期間(確か7年程度)続けられましたが、それも終了しました。部品のストックも永久に持ち続けることはできないでしょうからこれも仕方がないことでしょう。

しかし、専用ワープロという「製品」ではなく、親指シフトという「考え方」については、細々ながらもサポートがされています。専用キーボードも引き続き購入可能ですし、それを使って事実上、すべてのパソコン(OSでいえば、ウィンドウズ、マッキントッシュ、リナックス)で実用的に親指シフトによる文字入力が可能です。

これには富士通だけでなく、サードパーティー企業やボランティア(親指シフトを使えるようにするためのソフトウェアのかなりの部分は無償で提供されています)などのコントリビューションがあります。つまり、親指シフトコミュニティーが親指シフトを支えているのです。

そうだとすれば、親指シフトという考え方、技術は今でも有効であり、決してゾンビなどではないのです。専用ワープロというプラットフォームは親指シフトをローンチするのに必要で、その普及にも大きくかかわってきました。しかし、専用ワープロに対する社会の需要が衰退してしまったからといって、親指シフトまで道連れにして欲しくないのです。

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2010/01/13

Re: ヘッテルとフエーテル 本当に残酷なマネー版グリム童話 (Make the world a better place)

親指シフトを使えば勝ち組になれる?
http://lifemission.seesaa.net/article/138210042.html

・親指シフトを覚えて、

(中略)

・・・・・学んだところで、

ほとんどの人は成功などしないということ。

親指シフトを習得することで個人が成功するかどうかに関して納得のいく研究成果はありません(笑)。いや、本当は「親指シフトを使えばあなたも人生の勝ち組!」とでも言えたら、私のセールスマンとしての仕事も楽になるんですけど。

親指シフトを使っている人はそれが自分の成功につながるかどうかで親指シフトを選んでいるのでしょうか。おそらくそうではないでしょう。そんなにうまい話が世の中に転がっているはずがありません。

それでも親指シフトを使い続ける人は多くいます。現状では、親指シフトを使うためにはいろいろな意味でコストを負担しなければならなくてもです。そうしたコストを支払っても親指シフトを使いたいのは、ひとえに使いやすいものを使いたいからです。そうすることで知的な生産性を確実に上げられると考えているからです。

もちろん生産性が上がるだけで人生の成功が得られるというのは幻想に過ぎません。親指シフトユーザーは当然ながらそんなことは承知の上です。

個人が親指シフトを選ぶことによりご利益を得られるかどうかは確実ではありません。しかし、社会全体として使いやすい文字入力の方法を選ぶことには確実な利益があります。覚えやすく使いやすい方法を社会全体で選択することで大きなコスト削減ができます(GDPが増えるかどうかは分かりませんけどね)。

親指シフトはこのような利点を持つ社会のインフラの候補として充分な資格があるというのが私のセールスマンとしての売り文句なのです。

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2010/01/06

Re: 「かな入力」か「ローマ字入力」か (@YouheiOginoの日記) 他1件

キーボードによる文字入力学習の神話と現実
http://d.hatena.ne.jp/YouheiOgino/20100105/1262693321

ローマ字入力の長所は「覚えることが少ない」。これに尽きると思う。

ローマ字入力ではアルファベットの位置(それも使わないものもある)さえ覚えれば良いのに、かな入力は50音に加え、拗音、撥音、促音の位置まで覚えないといけないのは大変だと良く言われます。上に引用した方もそのように考えているようです。

これに対して、次のように言う人もいます。

町中のゾンビ (@河野太郎公式サイト)
http://www.taro.org/2010/01/post-677.php

かな入力なんてやる気があれば三日でできる!

実際のところはどうなのでしょう。

親指シフトによる日本語入力の普及活動をしている団体「日本語入力コンソーシアム」のサイトには次のようなグラフがあります。

Compnicola
  (出典) http://nicola.sunicom.co.jp/spec/demand.htm

これは、複数の学習者が異なる入力方法を学習した際の習熟の度合いを入力文字数で比較したものです。これを見ると、NICOLA (親指シフト) が一番速く、ついでJISかな、ローマ字入力が一番遅くなっています。

最初の引用では、ローマ字入力は覚えることが少ないので良いとの論旨でしたが、覚えやすいと考えられるものを使った場合の上達が覚えにくいと考えられるものを使った場合より遅いということは考えられるのでしょうか。

ローマ字入力は覚えることが少ない (だから簡単に上達する) というのは、学習という複雑なプロセスをあまりに単純化しすぎていて現実を反映していないのです。そのことは、このグラフで見るように実際の学習の結果により明らかなのです。

道具に振り回される人生は終わりにしよう。

というのはその通りですが、ローマ字入力こそが使いにくい道具で、それに多くの人が振り回されていると言う方が現実なのです。

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2010/01/05

Re: 初売り……(@雑記/えもじならべあそび(相沢かえでの無変換なスキマ記))

親指シフトに特有のキーボードの問題
http://d.hatena.ne.jp/maple_magician/20100103/1262525742

半キー外側に行くだけで、こんなに親指シフトキーの操作がきつくなるとはorz。

元の記事では2種類のキーボードについて、飛鳥配列(親指シフト系の配列)を使ってみた感想が書かれています。このキーボードは基本的にはJISかなキーボードで、親指シフトキーとして使う変換、無変換、スペースキーの位置や形状が少しずつ変わっています。

親指シフト専用キーボードをご存じの方でしたら(知らなければ画像をWikipedia等で探してください)、親指シフトキーは文字キーに比べて大きく(たいてい文字キーの幅の倍くらい)、また形も少し違っている(少し高かったり傾きが違っている)場合が多いことに気づきます。

親指シフトという入力方法は「親指と他の指の同時打鍵」という他にないものを使います。親指以外は文字キーの位置を正確に押さえる必要があります。親指との同時打鍵をすると、文字キーを押す指の動きにつれて親指も少し動くことが分かります。親指の位置を無理に固定しようとすると、不自然な動きとなるでしょう。

親指シフトキーで大事なことはそれが押されたか押されていないかを判別することです。左右に一つずつしかないので、親指の位置は他の指に必要とされるような正確さは要求されません。むしろ、他の指につられて動いてもそれをキーボードの方で吸収するような仕組みが必要となります。これが親指シフトキーが持っていなければならない物理的な仕様なのです。

このような仕様は、人間の手指の動きの原則とも合致しています。すなわち、親指以外の指は、ある程度の正確さをもって位置を決めることができます。それに対して親指は動きの正確さが劣ります。一方で、親指は他の指に比べて疲れにくいという特長があります。だから、親指シフト動作で親指を使ってもそんなに問題はありません。

親指シフトがこうした人間の物理的特性を考慮したものであるなら、キーボードもそれに適した物理的特性を持っている必要があると私は考えます。親指シフト専用キーボードはその様な考慮をまず第一としているのだと私は思います。

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