親指シフトに移行しなかった人の経験。
http://blog.livedoor.jp/pr_master/archives/775933.html
まず、結論から言うと親指シフトを止めて、今まで通りのローマ字入力を使うことにしました
(中略)
しかし、何と言っても親指シフトを使っている時のストレスに耐えられなくなりました
それとともに、ローマ字入力を使った際の、「なんてスムーズに入力できることだろう」というハッピーな感覚
ローマ字入力に戻ると、親指シフトに戻るのが億劫になります
この方は2カ月間、親指シフトを試して結論的にはそれ以前に使っていたローマ字入力に戻ることとされました。
親指シフトを使うことがストレスとなるというのでしたら、それもしょうがないことかと思います。どんな道具でも使ってみて納得がいかなければ使う必要はありませんから。
ただ、親指シフトのセールスマンから見ると、この方の経験にはいくつか分からないことがあります。
例えば、親指シフトの実装の方法はどのようなものだったか、キーボードは専用か、そうでなければどのようなキーボードを使ったのか。親指シフトの練習はどの程度の頻度、密度でどのような方法で行ったのか。この間、それまでの入力方法とは併用していたか、もし併用していたなら、入力作業全体に対する割合はどの程度だったか。
今までの入力方法での入力速度はどの位で、親指シフトにしたらどの位になると期待していたのか。親指シフトに期待していたことは何だったのか、期待と現実のギャップはどこにあったのか。
こうした点は、親指シフトを売り込もうとする場合にそれが成功するかどうかを判断する重要な指標となるというのが私の考えていることです。
反対に言えば、こうした点について必要な情報が不足している場合は売り込みがうまくいかない場合が多い気がします。
親指シフトを試したいという人がいるのは大変ありがたいことです。そうした人は貴重です。それならばそうした人がすくなくとも期待と実現できることのギャップに驚くことがないよう、必要な情報をきちんと把握しておくことは大事なのです。
以上の一般論を踏まえた上で、私やウェブ上で見る他の方の経験、さらには物事の学習に関して一般に言われている理論などをまとめると、親指シフトの練習については次のようにするのが良いと思います。これに関しては、皆さんの経験にもとづくコメントなどいただければ幸いです。
何か新しい技術を習得しようとする場合、難しいのは一番最初です。これは、最初は成果の伸びが遅く、習得の実感を得ることができないため、練習のモチベーションにも影響を与えるという可能性があるからです。
だから、最初の時期をなるべく早く通過してしまうことが学習の効率を上げるためには効果的と考えられます。そのためには、練習に集中できるなるべく良い環境を用意し、ある程度の頻度と密度で練習することが良いと考えられます。
親指シフトの練習で言えば、親指シフトに適したハード・ソフトの環境を整えることが役立ちます。できれば専用キーボード、それが可能でなくてもなるべく親指シフトにし易いキーボードを選択した方が良いでしょう。
最初は成果の伸びがあまり期待できませんから、そのことが練習をする気をディスカレッジしないように、スムーズに使えている現行の入力方式との併用は控えた方が良いと思われます。
そして、しかるべき頻度と密度で、例えば毎日30分ずつの練習を2回、毎日続けることが良いでしょう。
練習のためのソフトとしては「親指シフト練習」のような、段階を経て容易なものから難度が高いものに移っていくもの、そして成果が分かりやすい形(例えば一分間あたりの入力文字数)で示されるものが良いと思われます。
私の個人的経験で言えば一分当たり100字程度の打鍵ができるようになると、スムーズに入力できるようになったという実感が出てくる気がします。それまでもっと速い速度で入力していたとしても、このレベルなら「使いやすさ」が感覚的に感じられると思います。そうなればしめたものです。
一回の売り込みで失敗しても、それを次の売り込みにどのように活かしていくかを考えるのがセールスマンの腕です。親指シフトコミュニティー全体でこうしたセールスマンシップを持つことが大事だと私は思います。
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