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2008年11月の記事

2008/11/27

Re: 魅力は打鍵速度にあらず(@総角)他3件

親指シフトの魅力はどこにあるのか。
http://agemaki.cocolog-nifty.com/blog/2008/11/post-f164.html

いきなり信じたわけではないが、親指シフトの優位性はとても魅力的だった。

打鍵速度が速い、日本語入力の過半の文字は二段目のキーに割り振られている、後退キーが近い、思考を妨げにくい。

個人的な用途では打鍵速度の速さはさほど魅力ではなかったが、思考を妨げにくいというのは強烈な魅力だった。

親指シフトのメリットを打鍵速度ばかり挙げることが多いけれど、私にとって速度競争はどうでもよろしい。

極力ホームポジションを外さない、確定を意識させない、思考を妨げない、それらを手軽に実現する方法は他にはないのである。

しかし最近出ている某記事でも速度のことしか載っていないし、みんなベンチマークテストみたいに数値競争とか数値データでの評価とかが好きなのでしょうか。

親指シフトユーザーで同じように思っている人は多いのではないでしょうか。実際、文字の入力速度は親指シフトが速いのは確かですが、それ以上に使っていて、ここに書かれているように、思考を妨げない、ということを感じる人が多いようです。これは、これまでにこのブログで紹介した親指シフトユーザーの声からも分かります。

問題は、このような感覚的な優位性は他人に説明したり、あるいは納得して使ってもらうようにするのが大変困難なことです。工夫をすれば、説得的に説明することもできるのかもしれませんが、普通は「それは使う人の感覚でしょ。人それぞれだから、それが優位だということにはならないんじゃないの。」という意見に対しては、なかなか反論が難しいものです。

それでも、親指シフトユーザーの持っている感覚というのは大事だと思います。そして、そのことをいろいろな場で述べている人も多くいるのです。私のブログでは、なるべくそうした声を取り上げるようにしています。どれだけ効果的に説得できるかは自分では判断できませんが、こうしたことの積み上げがプラスに効くことを願っています。

少々うんちく(親指シフトについて)(@ドイツの片隅にて)
http://ponpon317.seesaa.net/article/110034723.html

始めてみると、打鍵数も少なくて、キーもあちこち飛ぶことなく(アルファベットのある下3段のキーボードと親指で50音のかなが全部入力できます)、快適に入力することができました。

(中略)

ということで、かれこれもう10年くらい、ずっと親指シフトを使っています。ソフトによっては親指シフトを想定していないがためにめんどくさい手間をかけないといけない場合もあるのですが、右腕が痛くなって書けなくなっては仕方がないし、明らかにローマ字より楽で速いので。

この方は、親指シフトで入力する場合は腕が痛くなることがないとおっしゃっています。体への影響は個人差が大きいので、あまり一般的なことを言うのは間違う可能性がありますので慎重にするべきですが、このように実際の体験を書かれているのは貴重な情報です。

また、前の方の段落で書かれていることは親指シフトの特徴の説明としてはとても分かりやすいものです。

親指シフトのことをブログなどで書く人は結構います。あえて書かなくたって良いのに書くのは、使いやすさを他人にも伝えたいという気持ちだと思います。これは親指シフトにとって大事なことです。

親指シフトのシールを貼ってみた。。。(@初歩からのSOHO日記)
http://soho.cclick.com/?eid=901781

学生時代に友人がこの親指シフトタイプのワープロを持っていて、その子が信じられないぐらいの早さでタイピングしていくんですよ。

もちろん、親指シフトを使えば早く文字入力ができます。これは間違いない事実だし、親指シフトの利点を説明するときにも役立つものです。ただ、これまでに書いた通り、それだけじゃないんだよ、というのもぜひ付け加えて説明し、理解してもらった方がより効果的なのだと思います。

亡霊(@頭脳警察犬)
http://west47.blog6.fc2.com/blog-entry-463.html

関連して書くが、親指シフトキーボードがなくなったらどうしょうと恐れ慄き、一生分を買い集めたひともいると聞く。

確かにこのようにすれば、その人にとっては親指シフトを使い続けることができるかもしれません。ただ、親指シフトが使える環境を維持していくことは個人のためだけでしょうか。もっと大事なのは、コンピューターで文字を入力するという作業において、親指シフトが使える環境を維持していく、つまり、今使っている人だけでなく、未来において使いたいと思う人がでたときに使えるような環境があることが必要なのではないでしょうか。

使いやすい文字入力の環境を維持していくことは個人のためだけでなく社会的に見て利益のあることです。それならば、そのための努力も個人レベルだけでなく社会レベルでなされるべきです。親指シフトのコミュニティーは社会に対してそれを納得させることが必要なのです。

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2008/11/26

Re: チャンスは無限にある(@よしよし、それでいい)

親指シフトの活用法は?
http://qtarospice.cocolog-nifty.com/blog/2008/11/post-e030.html

一見不遇と見えることこそ じつは大チャンス。

親指シフトがいいなら それの外国語版を考えてみてはどうかなかな。

うーむ、二つの文の関係がいま一つ不明ですが・・・。

親指シフトを日本語以外でも使ったらというのは、私の好きなテーマです。実装はどれもされていませんが、理論的な可能性としては面白いものがあります。

親指シフトは、親指と他の指との同時打鍵という考え方を新しく導入したことで、文字の入力に関する人間とコンピューターのインターフェースについてのイノベーションの可能性を大きく広げました。これを日本語に使うことだけに閉じ込めておくのは惜しいものです。

興味がありましたら、このブログの右側のリンク「ケーススタディー(日本語以外)」をご覧ください。

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2008/11/18

Re: Japanist(IME)の確定動作(@総角)

親指と小指の違い
http://agemaki.cocolog-nifty.com/blog/2008/11/japanistime-d43.html

確定を極力意識させないのがOASYS以来の特徴で、改行(Enter)を押すと確定と改行が同時に行われるのだが、WindowsのインターフェイスではデフォルトのOKボタンを同時に押したことになってしまうとか予期しない動作をすることがあるので、Japanistの標準設定では改行(Enter) 一回では確定のみの動作となるよう変更されている(他のIMEと同様の動作)。

(中略)

文節単位の変換や親指シフトで親指打鍵を多用するのは平気だが、確定するのに小指打鍵を多用するのはあまり好きじゃないので、OASYS風の動作の方を選択している。

これは親指シフトエミュレーション機能を持つ日本語入力プログラムJapanistで改行キーの動作がどうなっているかについての議論です。

私も親指シフトキーボードでJapanistを使っているのでこの方の言っていることはよく分かりますし、私も同感です。ここでは二つの論点があります。

一つは「改行キーの動作をどのように定義するか」です。パソコンでは改行キーはいろいろな機能を持たされているようです。Japanist以外の日本語入力プログラムでは改行キーを漢字変換の確定に使っていることが多いようです。問題は、改行キーはこの他にも、漢字変換が確定した場合には改行や場合によってはプログラムの実行といった動作にも使われることで、このため慣れないと引用したように予期しない動作をしてしまい、あわててしまうことがあります。

私自身はJapanist(上記の通りそもそもはOASYS)の作法である「確定を極力意識させない」方法が使いやすく思います。それは、改行キーを何通りもの機能に流用することによる使いにくさを嫌うからです。

もう一つの論点は、「小指と親指の違い」です。上記引用にあるような、小指を使って打鍵することが好きでないのは、道理があります。それは人間のからだの小指と親指の動作と機能における違いです。

人間の親指は他の指と共同して動作をすることがスムーズにできます。これに対して小指はこのような特性を持っていません。さらに小指は指の中で一番短く、力も弱いものとなっています。だから小指を頻繁に使うようなインターフェースは悪い設計と言えます。

ローマ字かな入力では、「a」が左手の小指に割り当てられています。「あ」段の文字は、他段のものより出現頻度が高いと思われますので、これだけ考えてもあまり良い入力方法ではないことが分かります。

また、JISかな入力では、かなり多くの文字が小指によるシフトと組み合わせることで入力されることになります。これも使い勝手を損なうものとなります。

親指シフトは、他の指と共同して動作をすることが容易な親指による同時打鍵という方法を取り入れたことにより、使いやすさの面で大きな改善をしています。それに加えて、かな漢字変換でもなるべく小指を使わないような工夫をすることでさらに改善がされています。

このように親指シフトは人間の生理に素直な設計をすることで、日本語入力作業に伴う負担を大きく軽減しているのです。

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