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2007/08/27

Re: キーボードの(@戯言)

日本語入力全体の中で親指シフトが果たす役割とは何か。
http://ludobile.org/twgt/?date=20070826

配列は IMと不可分な存在だ.私が,親指シフトを支持する人たちの一部がひゅん某や踊子某などを薦めるのを快く思わないのは,それが理解できていないのではないかと感じるからだ.

(中略)

ただ打鍵速度を比べるゲームという,酷くアウェイな環境に置かれた nicola はさして魅力的ではなかった.ところが去年某所で正真正銘の nicola 使用者に出会ったときは衝撃を受けた.感銘を受けた.もちろん彼の打鍵速度は決して速いとは言い難かったのだが, nicola (配列)と japanist (IME)の親和性の高さは目を見張るものがあった.

(中略)

無論, IME についてはたとえば MS-IME を採用するといったような条件下で比較検討することはできそうなものだが,広く普及している MS-IME や ATOK が複数の配列に適当に対応しているという状況が事をさらにややこしくしている.

コンピューターを使って日本語を入力するためには、キーボードを使うというやり方に限っても、いろいろなものが必要です。ハードウェアとしてのキーボードだけでなく、ソフトウェアについてはキーボードからの信号をコンピューターで受け止めることができるような仕組みが必要です。さらに、日本語でかなを漢字にするためには日本語入力のためのプログラムも必要です。ここで挙げられているIM (input method)がその重要な役割を果たします。

さて、ここで書かれているようなキーボードの配列とIMの親和性については、いろいろな意見があり得るのだと思います。

現在私が常用しているコンピューターの環境は、親指シフトキーボード( KB231)とJapanistです。親指シフトを使うのにJapanistはいろんな意味で(何か問題があった時に文句を言える先がある、といったことも含めて)一番使いやすいと感じています。

ただ、日本語入力のプログラムとしてATOKやMS-IMEを使いたいという人が多いのも事実です。その上で親指シフトを使いたいという人も結構います。そうした人にとっては親指ひゅんQや姫踊子草等のエミュレーションプログラムはまさに「これが無いと困ってしまう」ものなのだと思います。

私は常用しているコンピューターの他にLinuxをインストールしたコンピューターも時々使います。これでも親指シフトを使っています。キーボードはKB661で日本語入力用のプログラムはSCIM-Anthyで、これは親指シフトによる入力を他のプログラムを使うことなしでサポートしています。これを使って感じるのは、日本語入力プログラムとしてのJapanistとSCIM-Anthyにはかなり違いがあり、私にとってはJapanistの方がずっと使いやすいものとなっていることです。

それでも、「親指シフトが使える」ということの良さ、ありがたさは替えられないという気持ちです。

こうしたことから、いわゆるエミュレーションプログラムに対しては私は総合的に見てポジティブな評価をしています。(親指シフト専用キーボードではないキーボードを親指シフト用にすることに関しては、別の議論が必要です。これについては、機会があれば私の考え方を述べたいと思います。)

なお、ATOKにしろMS-IMEにしろ、その動作は結構カスタマイズができるようなので、親指シフトに適したものとすることもある程度できるのではないかと考えます。

本当のことを言えば、ATOKでもMS-IMEでも、SCIM-Anthyがやっているように他のプログラムなしで親指シフトをサポートすれば良いのだと思います。親指シフトの長所は、日本語入力プログラムの出来の良し悪しとはある程度、別のものとして考えて良いのではないかというのが私の意見で、実はそれだからこそ、ATOKやMS-IMEで親指シフトをサポートすることは、原理的には、そうしたプログラムを作っている会社にとっても利益があることなのだと信じています。もちろん、実世界でどうかというのは、これだけで決まる訳ではないということは当然です。

親指シフトが少数派になっているという現実を考えれば、なるべく親指シフトを使える環境を広げるという作戦が今は必要なのかなと感じます。もちろん、親指シフトを使うという環境の中で、さらにより良いものを目指すということは常に考えなければいけませんが、現実を踏まえた優先順位も考慮する必要があると思います。

あ,そういえば中国語の入力方式でも議論があったよね.あれはちょっと段階が違う話だけど.

中国語の入力方式に関する議論というのがどのようなものか、これだけではちょっと分かりませんが、もし、興味がありましたら、「中国語でも親指シフト」というのは考えられます。よろしかったら、このブログの右サイドバーにある「ケーススタディー(日本語以外)」をご覧下さい。

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