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2007/07/17

Re: 標準化(@Linux Diary)

新聞に親指シフトのことが載りましたが残念ながら良いニュースではありません。
http://maru89.cocolog-nifty.com/blog/2007/07/post_e594.html

今日(7月16日)の毎日新聞朝刊に「標準化への疑問」というコラムが載ってました。
なんでも、効率とセキュリティ上の理由から毎日新聞社内での個人所有パソコン使用が禁止され、会社貸与のものに置き換えられてしまったため、親指シフターが泣いているとのこと。

このブログの記事を見て、さっそく元記事を毎日新聞でみつけました。状況は上に書かれているようなことで、それにたいして毎日新聞の記者(デジタルメディア局・牧野哲士さん)の感想は以下のようなものです。

同じ機種のパソコンならば、故障した時の原因を探りやすかったり、ソフトの更新を一斉にしやすいなど利点が多い。その一方で、「標準」から外れた機種は、捨て去るしかないということになる。素早い日本語入力が可能で、私が愛用している親指シフトキーボードも使えなくなってしまう。

標準化を進める中で、失われていくもの。そこにはきっと郷愁以上のものがあるはずだと、キーボードをたたきながら思う。

これに対して、標記ブログでは、

だって、個人的にこの手の愚痴をこぼすたびに「多数派」からは「それはわがままってもの」「こだわりウゼー」みたいなこと言われるのが常だったから…
ましてやこの記事中での親指シフトキーボードの説明といえば「素早い日本語入力が可能」というだけです。(スペースの関係上、それ以上の説明は無理だけど)

このコラムの本筋は「標準化を進める中で失われていくもの」について考えるというものなんだけど、もし会社から「これからは親指シフト入力を標準とするので全員練習するように」とのお達しがあったら、この記者喜んじゃいそうな気がするのは邪推かしら。

と感想を述べています。

親指シフトが多数派でない以上、最後のような状況が生まれることはほとんど考えられません。仮定での議論はあまり好きではないのですが、そのようなことになったら「ちょっと待てよ」と言うかもしれません。あまり素直ではないのですが、そもそも素直だったら少数派になっている親指シフトをこんなにしつこく勧め続けることなどしていません(笑)。

毎日新聞での具体的な状況までは分かりませんが、こうした逆風の中で親指シフトを続けようとするためには何をすれば良いのでしょうか。

正攻法としては、親指シフトの良さを訴え続けて、親指シフトが使える環境を何とか実現させることでしょう。そもそも、親指シフトのためのソフトウェアや外付けの親指シフトキーボードとセキュリティーがどのように関係しているのか私には理解ができません(笑)。

ゲリラ的にやろうと思えば、例えば外部からの原稿を見るためにワープロソフトのOASYSが必要とか言ってインストールしてもらって、ついでに(笑)Japanistもインストールしちゃいます。こうなれば後はUSBポートにこっそり親指シフトキーボードをつなげば一丁上がり。ただ最近はUSBポートを使えないようにしている場合もあると聞いているので、その場合は面倒になります。

私としては、ぜひ正攻法で親指シフトの利点をアピールしてもらって、おおっぴらに親指シフトが使えるようになることを期待します。そもそも親指シフトは日本語入力を楽にしようとする目的で考えられたものなのだから、新聞社のような文章を作成することがとにかく最初の作業として大量に必要な職場はぜひ導入を考えてほしいなと思っています。単に入力が早いから時間や人が少なくてすむということでなく、使いやすい道具を用意することが考えていることをスムーズに引き出すのに大いに効果があるという意味で「知的生産性」を高めるのに貢献するということに幹部や情報システムの人には気付いてほしいと思っています。

それが行き過ぎて「親指シフトでなければダメだ」というところまで行くというのは、少なくとも現時点では考えられないので、標記のブログのような心配、ないし邪推は必要ないというのが私の考えです。

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コメント

セキュリティの観点で親指シフトキーボードが使えない、というのは技術的にはどういうことなのか?と考えると、これが分からないんですよ。

例えば「USBポートがない」からキーボードの付け替えが出来ない、とかでしょうか?

一番ありそうなのは、アプリケーションのインストールが出来ない、だろうと思うのですがジャパニストはどうなのかな?
(わたしは使っていないので・・・・)

新聞社では独自の日本語入力システムを使っていましたが、今でもそうなのでしょうか?
普通に市販されているIMEは使わないのかな?

こんな問題が絡まって、良く分からないが解決不可能とも思えない、という状態がず~と続いております。

投稿: 酔うぞ | 2007/07/22 19:45

酔うぞさん

ユーザーが勝手にアプリケーションのインストールができないようにするのは最近のセキュリティーの状況からすればやむを得ないようです。

USBポートが使えないようにするのは、そこを通じてデータを外部に持ち出したりできないようにするためのようです。

たまたま私の現在の職場のパソコンにはOASYSが入っている(のでJapanistも入っている)ため、USBポートに親指シフトキーボードをつないで(幸いにUSBポートはふさがれていない)親指シフトをほぼ公然と使えるようにしています。

新聞社でどのような日本語入力システムを使っているか、あるいはそもそもどのようなパソコンのシステムを使っているかは知りませんが、いろんなコストを考えると「みんなが普通に使っているものをそのまま使う」という方向に向かっているのだと思います。その上で、例えば辞書などは独自のもの(用字・用語が新聞社の規則に従っているものなど)を用意するということではないかと推測します。

このような「出来合いのものを流用する」というのがトレンドであるとしても、文字入力は大事な問題なのだからきちんと議論してほしいなと思っています。

投稿: 杉田伸樹(ぎっちょん) | 2007/07/22 21:44

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