Re: 一太郎に抱かれて(@赤チン少年日記)他1件
親指シフトとワープロソフトの関係はどうなっているのか。
http://d.hatena.ne.jp/castlerock/20061011
実際、放送の制作現場では80%が一太郎を使っている(残り18%がWord、2%がOasys+親指シフト)。
この割合の根拠は知りませんが、そのようなことなのかもしれません。
私が気になるのは「Oasys+親指シフト」という表現です。親指シフトはもともとワープロ専用機のOASYSでしか(事実上)使えませんでした。OASYSがパソコンのワープロソフトとなってからは、付属のJapanistという日本語入力プログラムを使えば親指シフトは使えます。だから、ワープロソフトのOASYSを使えば親指シフトを使う環境は比較的容易に作れます。
でも、このことは「OASYSを使わないと親指シフトは使えない」ということを意味しません。Japanistは独立したプログラムとして購入可能ですし、親指シフト専用キーボードは事実上、どのメーカーのパソコンにもつなげます。もちろん、一太郎やワードでも使えます。
日本語の文章を作成するという作業をパソコンで行う場合のハードやソフトの組み合わせを考えると以下のようになります。
ハードウェア--OS--日本語入力プログラム--ワープロソフト
日本語入力の最終的な成果物は印刷された文書だったり、ワープロソフトのファイルだったりする訳ですが、これは上記の組み合わせで言えばワープロソフトが何であるかに依存しています。
だから、最終成果物の仕様に関する要求が発注者からあれば、特定のワープロソフトを使わなければいけません。これは客の要求を満たすという意味では問答無用の制約となります。
でも、親指シフトはそうではありません。最終成果物を見ただけでは、親指シフトを使ったかどうかは判断できません。なぜなら、親指シフトはどんなワープロソフトでも利用可能だからです。
それだけではありません。前の記事にも書きましたが、親指シフトはウィンドウズだけでなく、マッキントッシュやリナックスでも実用的に使うことができます。この意味は大きいのです。
ワープロソフトの評価はそれなりに意味のあることだと思います。ただ、私はそれよりは親指シフトを使うかどうかという方が根本的な選択だと考えます。
さらに、最近の傾向で言えば、実はワープロソフトの選択というのはあまり重要なことではなくなってきているのかもしれません。なぜなら、文字入力の成果物として重要性を増しているのは、文章の内容そのものだからです。ブログが典型的ですが、どんなOSのパソコンを使っていてもブラウザさえあれば、ブログの作成と更新ができます。つまりワープロソフトを使う必要さえもなくなっているのです。これは良く言われているWeb2.0の特徴とも言えます。それだからこそ、どのようなOSでも使える親指シフトは意味を持つことになるのです。http://thumb-shift.txt-nifty.com/contents/2006/05/re_200605012nds_88ef.htmlに、この点を述べてありますのでご覧下さい。
「Oasys+親指シフト」というのは実態的にはそうなのかもしれませんが、この二つを不可分なもののように言うのは親指シフトの可能性を必要以上に狭めてしまうのです。
使ってます。(@けん・あみだの日記)
http://plaza.rakuten.co.jp/kenamida/diary/200610100001/
私は、親指シフトキーポード使いで、会社にもキーポードを設置してつかっております。私は昔からの親指シフトユーザーではなく、それまでは、 Macintoshを使用しておりまして、PowerMac7600でOS8.5まで使用しておりました。きっかけは、講読していたMacUserで、度 々親指シフトはいいという記事を何度か見かけ、ぜひともやってみたいと思い、また、ちょうどそのころ、DOS/Vも人気が出てきていたころなので、環境を 移行しました。
親指シフトを使う人はワープロ専用機のOASYSから始めた人が多いと思いますが、そうでない方がいるということも重要です。
MacUserは編集長だった人が親指シフトに理解があったため、記事にも出たのだと思います。そういう場が少なくなっているのは親指シフトにとっては残念なことですが、少しでも知ってもらうように努力することは親指シフトのコミュニティーがするべき仕事なのだと思います。私のブログもそのようなことに少しでも役立てばと願っています。
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コメント
お久しぶりです。
親指シフトウォッチの最新記事を見るたびに、
他のユーザーとのつながりを感じます。
やる気と安心をもらいます。
ぎっちょんさん、
本当にありがとうございます。
僕の親指近況なのですが、
ブラインドタッチが出来るようになり、
ローマ字入力よりも早く打つことが出来るようになりました。
後は、量をこなしていくだけです!
早くなれば、それだけで宣伝になると思うので、次はノートパソコンを買って、仕事場で使おうと思っています。(お金が問題ですが・・・)
これからも応援しています。
そして僕も宣伝マンの端くれとしてがんばっていきます!
それでは、
近況報告でした。
投稿: 英 | 2006/10/12 03:43
ぎっちょんさん,いつも精力的なセールスご苦労さんです。赤チン少年さんのコメントを読みに行ってみましたが,どうもぎっちょんさんの論旨を十分理解されていないみたいで残念です。言葉を変えれば,彼は「一太郎原理主義者」ですね(笑)
投稿: ヒデボー | 2006/10/12 06:17
ワープロは結構問題ですよ。
位置づけが変わったと思うな。
紙に出す場合は、自分で印刷するときには何でもいいわけですが、メールでファイルを送って印刷させるとなると、これはワードにせざるを得ない。
じゃあ、ワープロを使わずに HTML で書けばよいじゃないか?となるとこれはページになった書類が作れない。
さらに、説明文などを平のテキストで作るのとエクセルの表を貼り込む方が分かりやすいとかなると、ますますワードになります。
つまりワープロはレイアウトソフトであるといっても良いわけですが、ご承知の通りレイアウトソフトとして使うと論外に使いにくい。
結局、入力の良いところ悪いところ、出力(互換性)の良いところ悪いところがあるという事で立場によって評価が変わってしまいます。
わたし自身は「一太郎(ワードでも同じ)だけが使えれば満足」というのはさすがに無理だろうと思いますね。
Windows 標準(DOS/V)になっていることが重要でしょう。
その点では、ATOK は自力でカスタマイズすればずいぶん使いやすくなります。
ワープロは何を選んでもいまや使いにくいと思います。
そして、HTML はまだ問題だらけ。
ここらはユーザーが苦労しなくてならない言わば欠陥商品を使っているのでしょう。
投稿: 酔うぞ | 2006/10/12 14:48
酔うぞさん
うーむ、デジャビュのような。そうそう、あった。
http://thumb-shift.txt-nifty.com/contents/2006/01/re_fkb8579661ev_3b2c.html
http://thumb-shift.txt-nifty.com/contents/2006/01/re__0eae.html
そういえば、今日からついにグーグルで始まりました。
http://www.google.com/google-d-s/tour1.html
こうして見るとワープロもスプレッドシートもパソコン(=ネットのこちら側)にある必要もなくなります。つまりネットの向こう側に行ってしまいます。
そのうちに仕事の発注も、ワードのファイルをメールで送ってくるのはうざいからGoogleDocにしてちょうだいということになるかもしれません。
それでも親指シフトはネットの向こう側に行くことはできない訳です。
やっぱり親指シフトはWeb2.0ですね(笑)。
投稿: 杉田伸樹(ぎっちょん) | 2006/10/12 20:50
ヒデボーさん
向こうでのその後のコメントで、ご理解いただけたようです。私も、もう少し文章修行が必要ですね。
投稿: 杉田伸樹(ぎっちょん) | 2006/10/12 20:56
英さん
>親指シフトウォッチの最新記事を見るたびに、
>他のユーザーとのつながりを感じます。
>やる気と安心をもらいます。
こう言っていただきありがたく思います。私個人でできることは本当に少しですが、それでもやらなければ何も生まれない、という気持ちでやっています。
タッチタイプである程度スピードが出てくれば、これからは快適になると思います。もう抜けられない(笑)。
>そして僕も宣伝マンの端くれとしてがんばっていきます!
心強いお言葉!ありがとうございます。
投稿: 杉田伸樹(ぎっちょん) | 2006/10/12 21:01