« Re: 問題は何を表現するか(@K.Takatsuki - Self Mental Examination)他5件 | トップページ | Re: どこにいったの「親指シフト」(@休日旅行人)他2件 »

2006/04/21

Re: モバイルギア雑記(@おひるねこ日記)他1件

親指シフトの良さとは何か。日本語の特徴との関係は何か。
http://d.hatena.ne.jp/ohirunedo/20060420

そこで気づいた。
親指シフトの真の魅力を。
それは、「一音節一打鍵」だ。
これに尽きる。
日本語を話すように、打てる。
この快感。

確かに親指シフトを使っていると、話すように打てるという感覚は分かる気がします。ローマ字入力のように子音と母音を分ける必要もないし、JISかな入力のように濁音や半濁音をあとから付ける必要もありません。

日本語の構造(音声と表記)とキーボードによる入力の巧拙がどのように関係しているかは、言語学者のような専門家に意見を聞いた方が良いのかもしれませんが、いずれにしても親指シフトが自然な感じがするのはユーザーとして分かる気がします。

キーボードによる文字入力については、次のような思考実験を考えてみることも面白い気がします。

日本語がローマ字になってたかも?(@watch your step)
http://blog.livedoor.jp/route_50/archives/50054534.html

少し前の記事であるが、やはり戦後アメリカは、漢字、仮名を廃止しローマ字化、つまり日本語を英字化しようとしていた事実が明白になった。
しかも、記事を読むとローマ字化がかなり濃厚であったようだ。

Tumari,konna kanjini natteitanodarouka? (読みにくくない??)

まあ、こうならなくて良かったと思います。でも、こうなってしまった世界を想像して、そこでの文字入力の技術を考えてみます。

かながなくて、日本語がローマ字で書かれるようになってしまった時にキーボードを使って文字を入力するとします。この場合、普通に考えれば、タイプライターと同じようにアルファベットを一つずつ入力していくのが良いように考えられます。

ところが、日本語の音声と表記を研究して次のように気付く人が出てくるかもしれません。

1. 日本語の音節は母音だけまたは子音+母音の組み合わせがほとんどだ。
2. そのような音節の数は60よりは多いが90に収まりそうだ。
3. だとすると、一つの音節を一打鍵でできるなら打つ速度が二倍近くになるのでは。
4. ホームポジションとその上下の列だけを使う場合、普通のキーボードを使って小指によるシフトを理由するにしても60までしか区別できない。それでは、すべての音節を表せない。
5. あ、親指シフトがある(笑)。これなら90まで区別ができる。
6. 音節→ローマ字変換プログラムを作ってできあがり。( ゚Д゚)ウマー

さて、このシナリオ(笑)の持つ意味はなんでしょう。

文字一つに対して一打鍵という制約があることは、キーボードによる文字入力にとって良いことなのか?という問いになります。

キーを一回打鍵すると一つの文字が出てくる。これはいかにも自然で変えようがない原則のように見えます。でも、この原則を外すと、実はもっとうまい入力のやり方ができるかもしれません。

コンピューターで日本語を使うことを始めた時期には、文字入力の問題もいろいろな角度から検討され、いろいろなやり方が工夫されました。

かな漢字変換やローマ字入力、そしてM式や親指シフトといった技術はこうした中で生まれて育ってきたのです。文字をキーに固定するタイプライター的発想からフリーになったことにより、実用的に日本語を入力することができるようになったのです。

これは日本が世界に誇って良い技術であり、応用がきく考え方です。親指シフトを日本語以外で使うための理論的モデルは、このような考え方の自然な延長なのです。

|

« Re: 問題は何を表現するか(@K.Takatsuki - Self Mental Examination)他5件 | トップページ | Re: どこにいったの「親指シフト」(@休日旅行人)他2件 »

コメント

「1音節」ではなくて「拗音を除く1拍」あるいは「1かな文字」ですね。「きょう」が一打で打てないと「1音節1打」とは呼べません。ここで言っても仕方ないですが。

ローマ字化されていたら無声化母音を省いて表記するようになっていたかも。「です」を「des」と。関西人は無声化させないので、地域によって表記にばらつきが生まれるようになったかも知れません。

投稿: jisx6004 | 2006/04/22 22:33

jisx6004さん

さすが鋭い!

書いていて、促音、拗音などは確かに違うなとは思っていました。そういう意味では正確を欠いている表現であることは確かです。

とはいえ、親指シフトは他の入力方法よりは乖離が少ないのも確かだとは思います。

>「です」を「des」と。

はは、これは面白い。もしかしたら「鏡」なんてkangamiにしろなんてことになっていたかも。でもこうすると「鑑み」と区別できなくなってしまいますね。

投稿: 杉田伸樹(ぎっちょん) | 2006/04/22 22:59

こんにちは、はじめまして。
トラックバックいただきましたohirunedoと申します。
(…おっと、ついローマ字入力で書き始めてしまった。ここでTesla起動、っと。)

> 「1音節」ではなくて「拗音を除く1拍」あるいは「1かな文字」ですね。

あ、ホンマや(^^

それにしても、親指シフトユーザーのみなさんがこんなに元気に活動しているとは、全然知りませんでした。
久しぶりに親指シフト入力に復帰しましたが、何気なくブログに書いてみて良かったと思います。

今後ともよろしくお願いします〜

投稿: ohirunedo | 2006/04/23 19:45

ohirunedoさん

>何気なくブログに書いてみて良かったと思います。

こう言っていただけるとありがたく存じます。親指シフトの現在の一番の問題は「知られていない」ことだと思っていますから、どんなことでも書いてもらえれば助かります。私の料理のし方がうまいかどうかは見てのご判断ということで。

今後もよろしくお願いいたします。

投稿: 杉田伸樹(ぎっちょん) | 2006/04/23 21:58

route_50です。(@watch your step)
折角、トラックバックして頂いたのですが自分の不手際から記事のURLが、変わってしまいました。
新しい方のURLは、こちらですので訂正して頂けるとありがたいです。
http://blog.livedoor.jp/route_50/archives/50238514.html
よろしくお願いします。

投稿: route_50 | 2006/05/16 01:06

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: Re: モバイルギア雑記(@おひるねこ日記)他1件:

« Re: 問題は何を表現するか(@K.Takatsuki - Self Mental Examination)他5件 | トップページ | Re: どこにいったの「親指シフト」(@休日旅行人)他2件 »