Re: パソコンで文章作成するときにおける効用と問題点と「親指シフト(@感じる、考える、表現する。)
文字入力における重要なことは何でしょう。
http://blog.goo.ne.jp/hiderin8989/e/0b0b163b4f8fa3fe62fec5b00a65b2d9
例えば、「花は咲く」という文字を書くときに「hanahasaku」という10文字で考える人など誰もいないでしょう。しかも漢字変換を入れると12回もキーを打たなきゃいけません。
こういう問題の解決を目指したのが富士通が開発した「親指シフト」という方法です。
(中略)
知的活動をするのに不可欠となったパソコンがこんなに普及しているのに、入力方法が欧米の借り物なのはいかがなものでしょうか?
最初の文章は確かにその通りです。ただし、ローマ字に分解することが大きな負担になっているかどうかは意見が分かれるところです。上記のブログの記事へのコメントには、ローマ字でも、「文字列よりも指の感覚で日本語の文字を覚えちゃいました。」とあります。考える暇もなく指が動いてしまうということなのではないでしょうか。
とはいえ、ローマ字入力ではキーを押す回数が増えるのは明らかなので、親指シフトがその点を大幅に改善しているというのはまったくその通りです。それに加えて、配列の合理化も寄与しています。
最後の文章で「欧米の借り物」というのはローマ字入力のことを指していると思いますが、私は敢えて小さな異論を唱えたいと思います。ただし、これは間違いを指摘するとか不適切な表現であると主張する、といった趣旨ではなく、私の仮説を提示するというものであることをあらかじめお断りしておきます。
ローマ字入力は確かにキーボード上に配列されたアルファベットキーを使います。ただし、漢字に変換される前には、例えば「ma」が「ま」になっているわけで、その意味では最初に入力した「ma」という文字列は消えてしまいます。一方、かな入力では「ま」というのが最初からキーにあります。
こうして考えると、英文のタイプライターの考え方に近いのはむしろかな入力の方で、ローマ字入力は「文字入力にソフト的技術を使う」という面では、新しい、日本独自の方法と言えるかもしれません。
親指シフトはかな入力で、上記のような考え方の限りにおいてはJISかなと大きく変わる訳ではありません。ただし、親指シフトは「親指シフトキーとの同時シフト」という考え方を取り入れたことでソフト的技術の採用という面では大きく前進しています。これはどうしてかというと、同時シフトで一つのキーを3文字に活用するというのは機械的制御ではかなり難しいのではないかと考えられるからです。
ローマ字入力に戻ってみると、確かにアルファベットのキーボードにおける位置は英文用のキーボードと同じです。だから、その面だけにおいてみれば、「欧米の借り物」という言い方も一理あります。日本語を入力するのには明らかに適していない(英文を入力するのにも適していないという意見もあります)位置に文字が配置されています。だから使いにくくてもしょうがないのです。
結局、こうしたことを考えると親指シフトの利点がはっきりしてきます。ソフト的技術を最大限利用し、日本語の特性を考えて根本から考えられたものだからこそ、使いやすいものに仕上がっているのです。
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