Re: 親指シフト系配列の感想(@きりんシステム ダイアリー)他3件
これまでNICOLA→飛鳥と試した後、現在、TRON配列を練習されているitouhさんが、NICOLA配列を使わなくなった理由の一つです。
http://kirinsystem.net/diary/?date=20050715#p02
なぜ NICOLA 配列を使わなくなったかといえば、 期待したほど快適ではなかったからです。
- NICOLA は(専用キーボードを使うと)快適に日本語入力できる。
- NICOLA は普通の日本語キーボードでも使える。
という2つの情報から、「NICOLA は普通の日本語キーボードでも 快適に日本語入力できる」と私は思い込みました。 でもそうではなかった。
私も「NICOLA は快適だなぁ」と思ったこともありましたが、あとから考えると それは専用キーボードを使ったときだけだったようです。
この記事は、かえで(yfi)さんの記事
http://d.hatena.ne.jp/maple_magician/20050716/1121523178
からのリンクによるものです。
親指シフトを使おうとする場合に、専用キーボードを使うか普通のキーボードを工夫して親指シフトを実現するかは難しい選択です。
フォレストPENさんの記事
http://forestpen.seesaa.net/article/5035355.html
ヒデボーさんの記事
http://oyayubishift.cocolog-nifty.com/oyayubishiftnoheya/2005/04/post_d9d6.html
その他でも、専用キーボードを使わないで親指シフトを使う方法が紹介されています。
実際、デスクトップで外付けのキーボードを使う場合は専用キーボードに少しの選択肢はありますが、ノートパソコンの場合は専用キーボードを使えるのは数えるだけとなっています。だから、専用キーボードを使わないやり方があることは大事です。
これから親指シフトを始めようとする人がいる時に、専用キーボードを使うことを勧めるかどうかは特に難しいところです。
専用キーボードは普通のキーボードに比べて高価です。ものにならなかったら投資を回収できません(USB親指シフトキーボードはキートップを除けばJISかなキーボードだということはさておいて・・・)。
しかし、親指シフトの本当の良さを知ってもらうためにはやはり専用キーボードの方が良いのではないかというのももっともな考えです。
私自身はノートパソコンはほとんど使わないし、基本的には家でデスクトップを使うのが主なので、専用キーボードを使うのが一番良いのですが、パソコンを使うパターンは人それぞれで違うので、どれが良いとも一概には言えません。
コストがかかっても十分に投資は回収できるのだということを説得できれば良いのですが、これがとても大変です。特に、「そのうち、親指シフトはなくなってしまうのではないか」と言われることが一番つらいところです。そうならないように親指シフトのコミュニティーが頑張る必要があるのです。
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たまたま買ったYOMIURI PC8月号の82~83ページに作家の二階堂黎人さんが紹介されています。親指シフトキーボードについてもかなり詳しく説明されています。この記事を見て親指シフトに興味を持ってくれる人が出てくることを期待します。そして、そうした人たちが実際に親指シフトを試す時に困らないようにしましょう。
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コメント
生々しい話かもしれずアレですが、私としても「親指シフト(NICOLA)に関しては、専用キーボードと配列はセットで使うのが理想」だと感じています。
私が一般のキーボードと親指シフト配列の組み合わせで感じた不満は、そのほとんどが「一般のキーボードでは、キー押下圧が高すぎる」ということに起因していたのかもしれません。
記事に書いた中で、特に気になったキーは「う」「ん」「っ」でして、いずれも「小指を頻用する」という共通点があります。
Qwertyローマ字入力での「A」キーがどうにもイヤでしょうがなかった私としては、「なぜ皆が言うような快適さを得られないのだろうか…」と、延々と悩んでいた記憶があります。
この点は個人差があるはずですから、小指の使用頻度がもう少し高くても大丈夫だと感じる方でしたら、おそらくは一般のキーボードでも親指シフトを快適に使えるはずだと思います。
そして、私は残念ながらそうではなかった…ということの様です。
実際に、親指シフトキーボードを購入したときには「シマッタ!始めからこのキーボードを買っておけば悩まずに済んだはず…」と感じましたし(^^;)。
一旦習得してしまえば、その後困難があったとしても「よし、なんとかしよう」という気になれるはずです。
問題は「習得するまで」の期間だと思いますので、「より親指シフト向きなキーボード」や「より短期間で習得可能な方法論」は、やはり必要だろうな…と感じています。
あとは、親指シフト習得に掛かるコストの正当性をどうやって認知していただくか…ここは難しそうです。
初期学習コストは「ローマ字入力1時間・JISかな2倍・親指シフト3倍」と差があるらしいのですが、かな入力で使う文字数は結局どの方式を経ても同じですから、それらの差は「後に徐々に学習して埋める」形になるわけでして、その辺をどう表現してゆくかが重要になりそうです。
あっ、最後に脱線してしまいました…。
投稿: かえで(yfi) | 2005/07/19 19:05
とりあげていただいて、ありがとうございます。
自分の記事では書き忘れてましたが、NICOLA は実際に熟達して使用されている方がたくさんいる、という実績もありますし、入門ソフトや PCでNICOLA を実現するためのソフトも揃っています。
私の記事の中であげた3つの中では、いちばん入門しやすいですね。
キーボードは、わたしの場合は親指シフトキーボードに置き換えにくい環境でした。家にあるのより、仕事場にいくつもある DELL のデスクトップ付属のもの (複数人で共用) のほうが使用頻度が高いので。
投稿: itouh | 2005/07/19 21:23
かえで(yfi)さん
専用キーボードも普通のキーボードによる親指シフトでも、結局は使おうとする人にとってもコストがどうなのか、得られるベネフィットはどうかということになります。
コストもハードやソフトの値段だけでなく、手間も考慮しなくてはいけません。
ベネフィットに関して言えば、基本的には専用キーボードの方が優れていると言えるのでしょう。何といっても、親指シフトに適したように作られている訳ですから。
こうした諸々の要素により、選択がされることになります。入力方式に影響を及ぼすであろう要素をあげて、それぞれがどの程度効いているのかを調べることは、売り込みには役に立つので、思考実験でも良いからやってみる意義はあるのかなと思っています。
なお、
>初期学習コストは「ローマ字入力1時間・JISかな2倍・親指シフト3倍」と差があるらしい
は、どこか出典がありますでしょうか。何となくもっともらしく聞こえるのですが、私は懐疑的です。学習により「覚える」という言葉の意味をある程度厳密に定義する必要はありますが、例えば、
http://nicola.sunicom.co.jp/spec/demand.htm
の図3は、「親指シフトは覚えるのに時間と手間がかかる」という主張に対する有効な反論であると考えます。
itouhさん
こうしたユーザーの数も大事ですね。ただ、それを言ってしまうとローマ字入力やJISかな入力も親指シフトよりはずっと環境が整っているのでしょうし、言い方が難しいですね。
ローマ字入力やJISかな入力に比べてユーザーの数が少ないことで(おそらく)不利な取り扱いを受けている親指シフトユーザーが、それよりユーザーベースが少ない他の入力方法を数の多寡だけで劣っていると言ってはいけないし・・・。うーむ。
投稿: 杉田伸樹(ぎっちょん) | 2005/07/19 23:09
先日、クライアントの方と話していたら「MSのエルゴノミックキーボードは良いぞ」という話が出てきました。
ソフト会社ですからプログラムを入力する、つまりキーボードを多用する方の意見ですから「そうですか」と聞いていたのですが、その後に続いたのが「ノートを使うと元に戻っちゃう」んだそうです。
結局は、キーボードというハードウェアに慣れる方が要素としては大きい、という割と当たり前の話になるような気がします。
確かに、NICOLA で普通のキーボードを親指シフト化できますが、わたしは手持ちのキーボードでは使い物にならなかったし、一部に指摘がありますが、親指シフトキーボードに必要なのはキーの配置以外にもストロークの深さなども重要です。
つまりはハードウェアに依存している部分が大きい。
それを言うと、英語(101)キーボードでは一般にEnterキーが横長です。
しかし、日本で普通に使われる106/109キーボードではEnterキーは縦長で、この違いが結構問題になります。
つまりは、ハードウェア問題から抜け出せないのでしょう。
投稿: 酔うぞ | 2005/07/23 18:37
酔うぞさん
これだけITの社会への影響が大きくなると、いろんなところでコンピューターを使わないといけなくなります。使い勝手がいつも同じというのは理想なんでしょうけど、そうわがままも言ってはいられない。
ただ、ユーザーインターフェースの部分は個人により感じ方が違うし、各個人にとっては違いがあることが生産性を落とす十分な理由になりうるところが大事です。
どんなところにもキーボード一つ持って行って、どんなコンピューターでもそれを差し込んで仕事をするという環境になればすごいんですけど、まあ、あまり理想ばかり言ってもいられません。
持ち運べる電気製品だったら、コンセントさえあればどこでも持って行って使えるんですけどね。
投稿: 杉田伸樹(ぎっちょん) | 2005/07/23 18:56
昨日の晩にNHK教育で土曜フォーラム「ネット社会」なる番組をやっていました。
http://www.nhk-jn.co.jp/001headline/2005/009/009.htm
この中でちょっと紹介されたのが、USBメモリでデータを持ち出されるから、USBポートの使用禁止をすると、マウスも接続できなくなるが、それは現実的で無いだろう。
という話で、他者のコンピュータにデバイスを接続するのはマナーに反するという時代になるように思いますね。(やれやれ)
こんなことを考えると、自前のシステムを持つことが前提で考える方が良いのではないでしょうかね?
投稿: 酔うぞ | 2005/07/24 09:59
酔うぞさん
仕事で使うシステムには、否応なく合わせないと飯の食い上げになってしまう訳で、ぶつぶつ言いながらもしょうがないな、という対応になります。
しかしながら、仕事をさせる方からすると、効率よく楽に仕事をさせるということはある程度意味のあることです。もちろん、その他の条件(例えば、酔うぞさんの挙げたセキュリティーの問題など)も考慮に入れる必要はあります。
ユーザーインターフェースにかかわる部分は、最終成果に影響を及ぼさないなら実際に使う人の意見を取り入れることが一番であり、コンピューターにおける文字入力はまさしくそうした例です。
こうした頭の中での整理ともろもろの技術的な問題をうまく折り合いをつけるようにしなければいけません。
電気製品だって、変なものをつなげば電力のネットワークに悪影響を及ぼす可能性があります。そうならないような仕掛け(規格の整備や基幹的なネットワークに対するさまざまなファイアーウォールなど)をあちこちに用意した上で、あとは自由にやってください、ということで現在あるような多様な電気製品を供給し利用できる体制ができあがりました。
コンピューターにおける文字入力技術についても同様なことが考えられれば良いのです。
これは技術だけではなく、社会的な認識を変えるということなのでそう簡単なものではないのですが、少なくとも「勝手につなぐな」とすることがベストの解答なのですか、と常に問いかけることは必要なのだと思います。
コンピューターを使った文字情報の生成、流通はまだ歴史が浅いものですが、文字情報の創造のための技術が、例えばOSやネットワーク技術等よりも基礎的な技術であるということは明らかになっています。
偶然ですが、この度「文字・活字文化振興法」が成立しました。大上段に振りかぶるつもりはありませんが、文字情報の重要性の中で文字入力の技術を考えてもらいたいと、世の中に訴えたいと思っています。
酔うぞさんのコメントからだいぶ跳んでしまったようで失礼しました。
投稿: 杉田伸樹(ぎっちょん) | 2005/07/24 12:18
酔うぞさんが書かれているように
通常のJISキーボードを親指シフトで使う場合には
そのキーボードの一般的な評価とは別に
「親指シフトと合う合わない」がありますね。
・押下圧が大きいのはダメ、FILCOのメカニカルとかだと最悪・・・・
・ストロークが短すぎるのもダメ、パンタグラフだと親指が痛くなる・・・
・メンブレンの場合、底打ち感の強いのはダメ
というのが私の感想です。
色々と試していま一番JISキーボードで気に入ってるのが
コレ↓
http://www.vshopu.com/souldout/hitachiPCKB5310/index.html
ここにも書かれていますが中身は富士通のFKB8724と同じです。
富士通のメンブレンはそのフカフカフワフワな打ち心地から
はっきり好きと嫌いの評価が分かれるようですが
親指シフトとは相性がいいと思います。
無変換を親指左にスペースを親指右に割り当てて使っていますが
すぐに慣れましたし親指専用キーボードと比べて疲労感も変わりません。
試しにタイピングソフトで速度を試してみましたが
専用キーボードとほぼ同じ速度が出ました。
PC-KB5310なら秋葉原や日本橋なら500~1000円くらいで売られていますので
興味のある方は是非試してください。
投稿: den | 2005/07/24 12:21
denさん
いろいろ試されている結果を書いていただきありがとうございます。こうした情報もあちこちで見るのですが、一覧できると良いんですけどね。田之上さんのサイト
http://homepage1.nifty.com/cura/oya/
は比較的良くまとまっているのですが、最近の情報は少し少ないようなので、アップデートを期待します。
でも、こうした有益な情報のまとめを一人がやるのは大変だと思います。もう少し、簡単にみんなが参加できるようなナレッジ・マネジメントの方法があると良いんですけどね。まだよく分かっていないのですがwiki等もそういうものでしょうか。(ぐずぐず言ってないでお前がやれという突っ込みに対しては・・・・)
投稿: 杉田伸樹(ぎっちょん) | 2005/07/24 22:05
とりあえずテスト中です。
http://www4.atwiki.jp/japanese_keyboard_layout/pages/22.html
親指シフト関連のリンクだけでも、だいぶ数多く存在するんですね…。
ぎっちょんさんが躊躇された理由が、少しだけ解ったような気がします…^^;
他のリンク集で掲示されているリンクを、こちらにも展開するつもりですが、重複チェックなどで多少時間を要するかもしれません。
何か不足している・間違っているなど、お気づきの点がありましたら、その点お教えいただけますと嬉しいです。
投稿: かえで(yfi) | 2005/07/29 14:06
かえで(yfi)さん、お疲れさまです。
前のコメントと、かえで(yfi)さんがwikiを始めたののどちらが速かったか思い出せないのですが、いずれにしても、手間がかかる作業をされていることに敬意を表します。
うまく貢献できるようでしたら、参加させてもらうかもしれませんので、その時はよろしくお願いいたします。
投稿: 杉田伸樹(ぎっちょん) | 2005/07/30 00:09