Re:親指シフト(@一日一歩~青橋由高の特別でない毎日~)他1件
親指シフトを練習している青橋さんは、新しい小説を親指シフトで書けるぐらいまでに慣れてきたようです。
http://blog.livedoor.jp/aohashi_yutaka/archives/13156460.html
久しぶりに親指シフトの打鍵速度を測定してみました。 結果は……110~140文字/分ってとこですか。 前回はよくて100ちょいだったので、かなり速くなってます。実感でもわかりました。 でも、標準というか目標値が150らしいので、まだまだですね。
親指シフトが早いかどうかという議論が日本語入力コンソーシアムの掲示板
http://nicola.sunicom.co.jp/info4.html
でもひとしきりありました。時々は的外れな意見や度を越した物言いなどもあって、なんだかなあという気持ちで、横目で見ていました。
どんなことでも議論をする場合は、土俵を決めるという作業をしておかないと、不毛な議論に陥りがちです。短兵急な結論への誘導、根拠のない決めつけ等、見苦しい限りです。
親指シフトは早いか?という議論に対しては、私は次のように考えています。
キーボードによる入力に関して事前のバイアスがない(特定の入力方式による練習をしたことがない)人に対して、同じような条件(練習時間など)で練習をした場合、実用的な水準(青橋さんの言っている150文字/分程度以上がそれに当たると考えられます)まで到達するのに短期間で済む。反対に、同じ時間の練習ではより多くの文字が入力できるようになる。
この根拠は
http://nicola.sunicom.co.jp/spec/demand.htm
の図3ですが、いずれにせよ、「親指シフトは早いか?」という単純な質問の奥にあるものもきちんとみる必要があります。
Nicola掲示板でもう一つ気になったことが、「打鍵が早い」と「入力が早い」の混同です。ローマ字入力は、「打鍵が早くても入力は遅い」のです。キーボードによる入力の最終目的が、「できあがった文章」にあるとすれば、それに到達するのに簡単な方法をとるのは合理的な人間のやることです。英文の入力でも、人指し指だけを使って目にもとまらぬ速さで打鍵する人はたくさんいます。でも、それは良い方法でしょうか。打鍵の速さと入力の速さの混同の裏にはこうした問題があるのです。
なお、親指シフトでとても早く入力できる人はもちろんいます。例えば、
http://www.marchingkids.net/hamakaze/f5/score.htm
は、入力速度日本一になったはまかぜさんのスコアですが、誤りを差し引いても1分間に250文字以上、入力しています。打鍵数はもちろんそれより多くなります。
だからといって文体が変わるわけでもないので、読まれる方には全然関係ないですね(^^; 厳密に言えば多少は変わるんでしょうけども。
どんな入力方法を使って文章を書いたかは最終生産物である文章を見ただけでは分かりません。だからこそ、各人が使いやすい方法を選べば良いのです。親指シフトを使いたい人がきわめて大きな困難を経なければならない状況だけは何とかならないのかというのが、私を含む親指シフトユーザーの気持ちだと思います。
ねずみさんの親指シフトへの挑戦は8日目になりました。
http://nezumi-blog.seesaa.net/article/1740420.html
PowerBookの親指シフトキーボード版なんて、絶対でないんだろうなぁ。
親指シフト化して使っている人は結構いるようですね。
http://www.katoh-masafumi.com/oyayubi/index.html
親指シフトユーザーは、いつでもどこでもどんな条件でも使いたいと思っているのです。
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
さすがに,ぎっちょんさん(^o^)
大人のコメントで理路整然として,分かりやすい
です。
最近の私の口癖は「脳内ローマ字変換が苦手な
自分」。このことから,「親指シフトが日本語
入力には一番自然で最適」ということをアピール
していきたいと思っています。キーボードのネタ
がそろそろ尽きてきたので,日本語という切り口
を探っているところです。
投稿: ヒデボー | 2005/01/30 14:03
ヒデボーさん
おほめの言葉ありがとうございます。
Nicolaの掲示板も少し落ち着いてきた(さびれてきた?)ので、一つコメントをしておきました。内容は、この記事と同様です。
脳内ローマ字変換に関しては諸説あるようです。私もローマ字入力をしていると、何となく脳の一部を取られているような気がするんですが、一方、ローマ字入力が得意な人は、そんなことはなく、自動的に指が動いて入力されるんだ、と言います。このあたりは、心理学や生理学などの専門家に聞かないと分からないですね。
日本語に注目しているのは面白いですね。私も「なぜ日本語で親指シフトが生まれたか」ということについて考えています。まだ、まとまっていないのですが、外国語での親指シフト入力との関係等も視野に入れて見たいと思っています。いつ出来るか分かりませんが、楽しみに(?)お待ち下さい。
投稿: 杉田伸樹(ぎっちょん) | 2005/01/30 17:52