Re: 悲しき親指シフト派(@佐々木譲のプッシュピン)
作家の佐々木譲さんは親指シフトユーザーです。勝谷誠彦さんの「電脳血風録」での親指シフトに関する記述は気になるようです。
http://blogs.dion.ne.jp/sasakijo/archives/203520.html
あとがきのふたりのやりとりに、「親指原理主義者」には聞き捨てならぬことが。 カ「(略)もう親指シフトなしでは、原稿が書けなくなりました」 S「一応、パソコン雑誌の連載なんですから、そのレベルに話を合わせないでください。あまりに低すぎて、かえって読者がついてこれないです」親指シフト・ユーザーのレベルが低い? わたしとか著者はともかく、親指シフター・イコール・デバイデッドされたひと、ではないと思う。使っているキーボードと、PCスキルとはべつのものじゃないかな(たぶん)。
勝谷さんの本は、本屋でパラパラ見ただけですが、編集者のSさんのブログでの親指シフトに関する記述は、先日の本ブログでの記事
http://thumb-shift.txt-nifty.com/contents/2004/11/re_.html
に引用させていただきました。まあ、あんまりむきになる必要もないのですが、「親指シフトを選択するのは個人の勝手なんだから放っておいてくれ」というのが本当なんじゃないだろうかと思います。
PCスキルに関しては、親指シフトユーザーは、デファクトスタンダードという圧力をはね返して自分で環境を作らざるを得ないことが多いので、平均的なユーザーよりは高いのではないかと思います(笑)。本当は、PCのスキルが高くなくたって親指シフトが使えるようになることが、本当の意味でのIT化じゃないかと、言いふらしたいのですけどね。
編集者の方でも、私のサイトの
親指シフト語録
にある戸島國雄さんのように
親指シフトを使う物書きには、何はさておき一目置くことにしている。
と言ってくれると、頼もしいですね。
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コメント
親指シフトユーザーは、PCスキルが低い、という偏見があるんですか。
多分、「親指シフトユーザー = 今でもワープロ専用機OASYSを後生大事に使っていて、パソコンを敬遠している」というイメージから、なんでしょうね。
今でも専用機のOASYSにこだわる人は、コンピューターがつかえないんじゃなくて、文章入力には「積極的に」使わない、または、不承不承使っている方が多いんじゃないかな。
達人レベルになると、エミュレーションによる微妙な反応の遅れや、今のUSBキーボードのタッチに違和感を感じる、と聞いたことはありますから。
そういう域に達したOASYS愛好家の方々になると、配列を指が覚えているどころではなく、キータッチまで含めて、骨の髄まで「OASYS」が刻み込まれているんでしょうねぇ。
罪なもの作りやがって、富士通の野郎はよぉ。
ってのは、あながちケナし言葉でもないですが。
ただ、罪をおかしたのなら責任をとらなきゃいけない(^_^;、という意味で、せめてFM-OASYS(Towns やFM-Rにあった、専用OSで稼働するソフトOASYS)を、今の技術で復活させれば? と思いますけどね。
少なくともWindowsでエミュレーションするよりは、専用機っぽいモノができると思いますが。
どうでしょう、富士通の人。
専用OSとなると、インストールする手間が・・という不安がありますが、1CD Linuxがある今ですから、1CD OASYSも、できなくはない、んじゃないかなぁ。
Windowsマシンが、CD ブートでOASYSになる。
そんなのがあったら、ちょっとほしいな。
達人じゃない私もね。
ぎっちょんさんのブログ、私のブログより、富士通の親指シフト関連部署の人が読んでいる可能性が高いでしょうから、あえてこの場をお借りして、コメントで主張させていただきました。
投稿: らび | 2004/11/09 02:28
>親指シフトユーザーは、PCスキルが低い、という偏見
これはかなり根強く感じます。私は最終的にオアシス40APが修理不能になるまで、ほぼ20世紀の終わりごろまで原稿をワープロ専用機で書いていましたが、おかげで完全なPC音痴と思われていました。
確かにエクセルやワードなどはいまも使いませんが、それは必要がないからです。PCはPCと呼ばれる以前、つまりマイコンと呼ばれていた時代から自分でプログミングして使っていましたし(大学の卒業研究ではソードM223やシャープMZ80Bなどの世話になりました)、それ以前にコンピュータになじんだのはユニバックの大型機(FORTRANのプログラムをパンチカードで入力するようなやつ)からです。「マイコン雑誌」に連載記事を持っていたこともあります。
だけど原稿を書くならワープロ専用オアシスの方が圧倒的に快適。そういうデリカシーを理解できない連中に、どれだけ偏屈なバカ扱いされてきたことか。いちばんムカついたのは、富士通の若い社員に「社内でも、いまどき親指シフトなんか使っている人いませんよ」と笑われたことです。怒るよりも、こういうバカのいる会社から親指シフトが生まれたという奇跡に感謝すべきなんでしょうけどね。
投稿: KONAN ASE | 2004/11/09 21:42
らびさん、KONAN ASEさん、コメントありがとうございます。
親指シフトユーザーはPCスキルが低いというのが偏見かどうかを考える場合には、PCスキルの定義をきちんとする必要があります。そもそも、意味があやふやなものについて怒ったりするのは、個人的には精神衛生上悪いと思うので、単に無視していれば良いのですが、一方で、変な議論を放置しておいては親指シフトコミュニティーの(あるいは世の中の)ためにならないので、ちゃんとした反論をしておく必要はあります。
私自身は現在、ワープロ専用機を使うことはまずありませんが、それは専用機が劣っているからではなく、パソコンでエクセルやワード、インターネット接続等々を使う必要があるからです。それらを専用機でやろうと思えば、おそらく大変な努力が必要で、それこそPCスキル云々どころの話ではありません。パソコンだから簡単にできるのです。逆説的に言えば、私がパソコンを使うのはPCスキルがないからなのです。
ことほどさように、きちんと定義されていない言葉を使う議論は危ないものなので、私自身はあまり深入りしないことを心がけています。もちろん、最低限、反論するべきはしているつもりですがね。
それでも、私が親指シフトを使うのは、それが文字の入力という、およそパソコンその他の情報機器を使う際には必ずといって良いほど必要な技術に関するものだからです。私がいろいろなところで言っている、「親指シフトユーザーはどんなハード(パソコン、専用機、携帯電話・・・)でも、どんなOSでも(ウィンドウズ、マッキントッシュ、Linux・・・)でも、どんな言語(日本語、中国語、ハングル、ベトナム語、タイ語・・・)でも親指シフトを使いたい」というのは、この意味なのです。すなわち、親指シフトというのは情報機器を使う上でのインフラであり、最大公約数なのです。
こういう風に親指シフトの意義を整理すれば、PCスキル云々という馬鹿らしい議論を回避できるのかなと思っています。偏見に対するお腹立ちは分かりますが、親指シフトを使うことの今日的、積極的な意味を分からせることの方が重要かなと感じている次第です。
富士通に関しては、おそらくすべての親指シフトユーザーがアンビバレントな感情を持っていることと思います。私のきわめて個人的な思いは、なぜ、親指シフトを富士通という一企業のものとして、日本の社会全体が受け入れられなかったか、そこに残念ながら日本における想像力の欠如、見通しの悪さがあったというものです。今はもう消えてしまった新JIS制定を巡る経緯もそうした誤りの一つかなと感じています。
投稿: 杉田伸樹(ぎっちょん) | 2004/11/09 23:00
(補足)
前のコメントの第1パラグラフでの、「変な議論」というのは「世間で言われていること」の意味で、らびさん、KONAN ASEさんのおっしゃっていることではありません。私の文章が稚拙でその様に読めてしまうかもしれないという気がしたので、ここに説明しておきます。
***
らびさんの1CDでのオアシスですが、OSまでではないですが、ワープロソフトのOASYSでは「携帯OASYS」という機能があり、これを使えば、OASYSがインストールされていないパソコンでもOASYS文書の作成や編集ができるようになっています。ご存じかもしれませんが、目のつけどころが同じだなと思ったので、書いておきます。
投稿: 杉田伸樹(ぎっちょん) | 2004/11/09 23:17
KONAN ACEさん、凄く怒ってますね・・。
やっぱり、富士通は、もうちょっと「なにか」すべきですね。
一ユーザーには、手を出せないようなことを、会社として。
しかし、マイコンって響きがなつかしいです。
私は、FM-7もってました。
当時、KONAN ACEさんの書かれた記事、読んだことがあるのかもしれません。
なお、私も? Excel、Wordは、あんまり好きじゃないです。
ときどき、渋々使う程度ですね。
ぎっちょんさん
要は、後ろ向くより前向こうってことですよね。
わかります。
で、「なにか」せざるを得ないような、うねりを作ろうと。
そうそう、「携帯OASYS」知ってます。
というより持ってます。
ただ、アレはあくまでWindowsの1アプリ。
OASYS文書を、OASYSがインストールされてない環境でも、編集・閲覧できる、のは、ありがたかったけど、キーボードのエミュまでは、してくれなかったのが、ちょっと残念でした。
FM-OASYSは、独自OSだけあって、レスポンスが、かなり専用機っぽかったらしいんですよ。
そういうのと、親指シフトUSBを組み合わせたら、面白いかな、と思った次第です。
投稿: らび | 2004/11/10 01:18
>凄く怒ってますね・・。
こういう冷静な場で、お恥ずかしいです。積年のうっぷんを、つい。前向きに考えないといけないですね。
FM-7、なつかしいです。富士通のマシンでは、私はFM-8のバブルカセットの速さが印象的でした。カセットテープと比べたら…(比べちゃいけませんね)。
とはいえ学生時代、私自身はPCを保有せず、研修先の研究所や大学の先生、そして友人宅などPCの使えるところをハシゴしながらしのいでいました。ポケコンもずいぶん酷使しました(やはり友人のでしたが)。
あまり前向きの話題じゃなくてすみませんでした。また、ふらりと寄らせていただきます。
投稿: KONAN ASE | 2004/11/10 09:09
私、実は富士通へのグチをいいだせば、きりがないってヤツですから、KONAN ACEさんのイラダチ、わかります。
ジャンルはなんであれ、職人・達人を切り捨てたら、日本の産業は根本から崩壊するぞー。
って、危機感を持ってほしいですね。
富士通に限らず。
FM-8は、憧れでしたね。
カシオPB-100は、まだ家にあるかなぁ。SHARPのポケコンは買えなかった・・。
っと
この辺にしときます(^_^;。
投稿: らび | 2004/11/11 23:06
らびさん、KONAN ASEさん
ちょっと油断すると、どんどん書かれちゃうんだから(もちろん、これはうれしさの表現ですよ)。
冷静になろうと思っても、ついつい言いつのってしまうのが親指シフトユーザーの良いところ(書くのも楽で早いですからね)。
ユーザーはステークホルダーですから、遠慮せずに声を上げて良いのです。それをどうするかは、経営判断ですから。
親指シフトが良いという認識が広がることを前提とすれば、私は何も富士通がその責任をすべて負うことはないのではないかと思っています。例えば、Japanistの持っている親指シフトのエミュレーション機能だって、ジャストシステムに譲渡してATOKに実装してもらったって良いと考えます。要は、親指シフトが継続的に使えるようになれば良いわけで、その意味で「親指シフトは儲かる」と企業が判断できるようになれば、自然と参入するのではないかと、私は理由もなく楽観的に思っています。
確かに、富士通は親指シフトを作ったことでその功罪を背負ってしまっています。でも、文字入力の技術は一つの企業が背負うにはあまりに重要なインフラなのではないかというのが、私の仮説です。
だからこそ、この蓄積を社会全体で支えるようにすることをみんなに納得させなければならないと思うのです。
まあ、あんまり理屈ばかり言っていてもセールスマンの仕事は進まないので、このくらいにしておきますが、いずれにせよ、私の活動の基本的な考え方はこのようなものなのです。
***
私の電卓は、HP 41CVというRPN方式のものです。
http://www.hpmuseum.org/41cv.jpg
こちらも親指シフトに負けず劣らず、しぶとく残っている少数派です(笑)。
投稿: 杉田伸樹(ぎっちょん) | 2004/11/11 23:33
今使っているDynabookの購入時アンケートに「親指シフトキーボードモデルがあるとうれしい」と記入したのは私。
2003で止まってしまったJapanistは、いっそ諦めて、ジャストと組むってのは、賛成です。
「ATOKプラス親指シフトキーボード。最強の日本語コラボレーション」ってキャンペーン張れば、一般ユーザーにもアピールできそうですね。
KONAN ASEさん。
すいません、思い込みでACEと打ってました。
気をわるくされたら、ごめんなさい。
投稿: らび | 2004/11/13 01:11
>今使っているDynabookの購入時アンケートに「親指シフトキーボードモデルがあるとうれしい」と記入したのは私。
ふむふむ、で、1年経ったら「あの要望はどうなりましたか」などと、フォローアップをして返事を公開したりして・・・なんてやっていると嫌がられるかな?
>ジャストと組むってのは、賛成です。
これは親指シフトの話題とは少し離れますが、ジャストシステムのすごいところは、OSの違いにもかかわらず、ATOKというプラットフォームを作っていることです。つまり、ウィンドウズ、マック、LinuxでATOKとが使えます。ハードの面でも、携帯電話やPDAにATOKが導入されています。もちろん、プログラムはそれぞれ違いますが、一貫した使い勝手をどんなOSやハードでも提供することを目指しているように見えます。
この面では親指シフトとの親和性も良いのではないかというのが私の仮説です。ただし、日本語入力のプログラムとしての使い勝手の良さは別の問題で、別の基準による評価が必要かと思います。世の中にあるパソコン雑誌などを見れば、そうした評価はたくさんありますので、あえて私が付け加える必要もないでしょう。
日本語入力の方法がOSによらないとすれば、OSの上に日本語入力プログラムがあり、その上にアプリケーションソフトがあるという、一般的に考えられている構造のうち、下の2つの層がひっくり返っているという「革命」が起こっているのではないかというのが、私の仮説です。もちろん、これは技術的な仕組みとは別の問題で(実際、日本語入力のプログラムはOSにより違う)、概念上のものです。
親指シフトが「どこでも使える」ようになることは、ATOKの場合と同様に革命的なことかもしれません。
投稿: 杉田伸樹(ぎっちょん) | 2004/11/13 21:23
らびさん、
>すいません、思い込みでACEと打ってました。
お気になさいますな。変わった名前(ただし本名)なんで、いろいろあります。子供の頃はACEの方が強そうだなあと思ってましたし。
ときどき欧米人は「エイス」と発音しますが、あえて訂正しないで強そうに返事してます。
投稿: KONAN ASE | 2004/11/15 18:14