Re: 。「親指シフトキーボード」についての話、つづき(@すくすく日記)他1件
ワープロ専用機の時代は印刷結果を良くしようと結構技を使ったものでした。でも、使う機械がパソコンになり、使われる機会も印刷物作成から電子メールなどに変わってくるとそうした技を使うことも少なくなってきました。
。「親指シフトキーボード」についての話、つづき(@すくすく日記)で、働くお母さん「m」さんは、こう言っています。
気がついてみれば、パソコンで文章を打つようになってから、「早く入力して、美しく仕上げたい」という気持ちが、いつの間にかなくなっていました。印刷されることを前提にしている場合には、例えば均等割付で改行位置を調整したり、いろんな工夫をする余地がありました。今は、清書を頼まれることも少なくなりましたし(自分で入力できる人が増えた)、そもそも印刷を前提としていないので、いろいろな「技」を使うとかえって邪魔になってしまうんですよね。右端設定、左端設定も電子メールでは関係ありませんし。
ワープロ専用機とワープロ専用機特有の文書レイアウト(@巣窟日誌) では、ふくしまゆみさんが、そうした技の数々を思い出しています。
そして「右寄せ」「左寄せ」「センタリング」「罫線」などの機能に目を見はり、次に積極的にその機能を使った。ついでに、やらなくてもいい「網掛」や「均等割付」などの機能を使いまくり、絵文字をたくさん散らし、ああでもないこうでもないと、うきうきと楽しげに文書のレイアウトを思案した。
それも時代が経ち、ワープロソフトも洗練されてきて、使う人の意識も変わってきました。
現在のワープロのソフトは当時とは比べ物にならないぐらい発達した。その間に人々はワープロを使うべき文書と使わない文書を、当時より正確に判断できるようになり、すっきりした文書レイアウトの美と効率性を、前よりも良く理解するようになったようだ。
確かに昔に比べると、印刷された文書の洗練度合いはずいぶん向上した気がします。これは文書の作成という仕事のし方が変わったことにも影響を受けている気がします。昔は、「偉い人」が手書きのドラフトを書き、「部下」がワープロで清書し、印刷物をまた偉い人が見て、部下に修正を指示して・・・というサイクルで文書が作られました。
今はこんなことをしていたら日が暮れてしまうので、誰かがドラフトしたものを、偉い人にメールで送り、偉い人はそれを自分のパソコンで修正する・・・という仕事のし方が普通になっています。部下を持たない人はすべて自分でやります。
こうなると、文書ファイルも他人が見て分かりやすいものでなくてはならず、いろいろな装飾をすることはかえって困難を招くことになり、すっきりした見た目の文書の価値が高まるということになったと思われます。
そういえば、昔"The PC is not a Typewriter"という本を読んだことがあって、なるほどなと思ったことがありました。例えば、ピリオドのあとはスペースは1つ(タイプライターだったら2つ)、アンダーラインでなくてイタリックにしろ、プロポーショナルフォントを使え、フォントの種類は1ページ2つまで、それもコントラストがあるものを、等々、ずいぶん勉強になりました。
日本語の文書でもこうしたことをきちんと勉強させるべきなのではないかなと思います。私が一番嫌いなのは日本語の斜体!こんなの、ちゃんとした印刷物で見たことはありませんよね。
出来の悪い文書デザインがどこに生き残っているのかというと実は、ウェブサイトではないかと思っています。自分でホームページビルダーを使ってウェブサイトを作った経験からすると、構造もデザインも洗練されたものを作るのは素人の手には負えない、という感じです。まあ、単に美的センスがないということかもしれませんがね・・・。
これに比べるとブログはずいぶん楽です。確かにレイアウトの自由度は減りますが、見た目全体の統一感を保つようにすることはかなり容易になりました。まあ、私のサイトとブログを見比べてみればだいたい分かると思います(え、そんな暇じゃないって、そりゃ失礼しました)。
で、何が言いたいかというと、これまでデザインに振り向けていた力を内容の充実に向けることができるようになったのではないかなということです。それが文章だったら、親指シフトの出番!(ということで無理やり結びつけてしまう)私のブログのように絵も写真も一つもなく愛想のないのは、なんとか文章でカバーしなければならず、ない頭をひねっています。だからこそ、文章作成は楽にしたいので、親指シフトを使う訳です。これから個人がネット上で自分の考えを述べる機会が増えてくるのならば、ますます、親指シフトの良さは見直されるのではないかというのが私の仮説です。この楽観的な見通しが当たるように努力しなければと思っています。
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