Re: 親指シフト断念 (@ゼータコンサルティング株式会社)
親指シフトを断念する理由とは何か。
http://www.zeta-consulting.jp/?p=420
親指シフトは断念した。
親指シフトを試そうとする方が結局断念するということもあります。このような場合、どうしてなのかはあまり知られていないことが多いと思われます。断念したという事実さえ書くことは少ないのでしょう。そうだとすれば、そのような具体的な例が書かれているのは大変貴重な材料になります。こうした分析をしていけば、どのようにすれば親指シフトを試そうとする人が挫折しないですむようになるかについてのヒントとなるからです。以下、具体的に見てみましょう。
理由の一つは腱鞘炎になったこと。
専用キーボード用を前提にしてつくられた運指なので、普通のキーボードでは少々無理がある。
手首に負荷がかかり、病院で腱鞘炎という診断が下されてしまった。
親指シフトは日本語入力を楽に効率的にしようとすることを目的としています。それが体に傷害を与えるということならば、親指シフトの目標とは最も遠いものとなってしまいます。こうしたことが起きることはなんとしても防がなければなりません。上記の引用にあるようなことはあってはならないのです。この場合、理由は明らかです。物理的に向いていない普通のキーボードを使っているからです。私としては、ぜひ専用キーボードを使って試してみてほしかったと願っています。
次の理由は、自分専用マシンでしか使えないこと。
自分以外が使う可能性があるマシンや、キーボードを自由に選べない環境では、親指シフトを使えるようにすることは大変難しいのは確かです。私も家では親指シフトですが職場ではノートパソコンでローマ字入力を使っています。
ただ、親指シフトを使ったからといってローマ字入力ができなくなるかというとそのようなこともないと思います(ローマ字入力をするとイライラするのは確かですが)。ですから、できるところだけでも親指シフトにするということでも良いはずです。それだけでも親指シフトの良さは十分分かります。
3つ目の理由は、英文もちょっとは書かなきゃという意識になったこと。
滅多に機会はないが、アルファベットに慣れておかないと、という保険意識。
ローマ字入力をしていれば英文入力も文字の配置が同じなので覚えるのが楽ということなのでしょうか。確かにアルファベットの位置は同じです。しかし、英文入力と日本語のローマ字入力は文字の出現頻度や続き具合といった、特にある程度の速度以上で入力しようとした場合に重要となるパラメーターが大きく異なります。英文入力を覚える手間は、日本語をローマ字入力するか親指シフトでやるかにかかわりなく、必要となるものだと考えた方が良いでしょう。つまり、親指シフトは英文入力を覚えるためのマイナス要因とはならないのです。
親指シフトを断念せざるをえなかった人がいるのは残念なことです。しかし、このようにその理由を言ってもらえると助かります。親指シフトの普及からすればそれは貴重な情報だし、普及のための戦略を考える際の大きなヒントになるからです。
| 固定リンク
| コメント (2)
| トラックバック (0)
最近のコメント